2011年10月20日15時14分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201110201514514

核・原子力

文科省 放射能汚染マップ詳細版を公開 

 文科省は18日、6月以来実施してきた航空機モニタリングによる放射能 汚染調査結果を、電子地図に重ねたより詳細な汚染地図の公開を始めた。電子地図は国土地理院作成のもの。今回の公開では、ブラウザで閲覧する電子地図による「電子国土版」と「PDF版」の2通り。拡大・縮小、地域指定のやりやすさなど、「電子国土版」が使いやすそうである。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 ・文科省放射線量等分布マップ拡大サイト 
http://ramap.jaea.go.jp/map/ 
 
 18日に公開された範囲は、宮城県・山形県から東京都・神奈川県まで 10都県。調査結果が10月12日に公開された秋田県と新潟県の分は、今回の拡大サイトではまだ公開されていない。 
 
 汚染地図は、空間線量率、Cs-134,Cs-137,Cs-134とCs-137の合計などのモードが用意されている。電子国土版は縮尺が最大約8千分1程度あり、直径100m前後のスポット的な汚染度違いも識別できる。こうした場合のモードは、空間線量率よりも、Cs-134+137の合計の方が、より識別しやすいようだ。 
 
 しかし濃度区分が、放射性セシウムでは最低が1千Bq/屬任△蝓東京都、神奈川県などでは、ほとんどが同一レベルになり、ほとんど違いが分からない。ただ、その差によっては、次のように識別できる。 
 
  例1、2は、神奈川県相模原市緑区の小倉山周辺を、空間線量率と、セシウム134+137合計の2通りで見たもの。この例では、違いが識別できる程度に汚染度が異なっていて、小倉山が周囲に比べ線量率が高いのが分かる。セシウム濃度についても、小倉山周囲の1千Bq以下に対して、小倉山付近が1千Bq以上と高いのが見て取れる。こうしたスポット的な汚染度の違いは識別できる。部分的には、都市部などでのマイクロスポットには使えそうである。 
 
  例1:空間線量率モード 
http://organic-newsclip.info/img/nuk/osenn-1.jpg 
 
  例2:Cs134+137の合計モード 
http://organic-newsclip.info/img/nuk/osenn-2.jpg 
 
  例3は、郡山市の市街地のマイクロスポットの例で、直径は約1Km。土壌調査でも、放射性セシウム濃度が高かった地点である。 
 
  例3:郡山市市街地 
http://organic-newsclip.info/img/nuk/koriyama-Cs134-Cs137.jpg 
 
  こうした汚染マップが事故直後から作られ、公開されていれば、被曝の低減や、作付への対応が違ってきただろう。遅きに失したといわざるを得ない。また、今回の公開は、放射性セシウムについてだけである。文科省は10月5日、福島県と茨城県北部におけるストロンチウムとプルトニウムの汚染状況を公開した。10月14日には、横浜市港北区内でもストロンチウムが検出されている。放射性セシウムに限定せず、ストロンチウムなどについても、汚染度に応じて広く調査する必要がある。6月6日付けの原子力安全・保安院が公表している、福島第一原発の1号機、2号機、3号機からの放射性物質の放出量の見積によれば、ストロンチウム90の放出量は14兆ベクレルと見積もられている。横浜市でも検出されたということは、関東全域でのストロンチウム拡散の可能性があるということだ。 
 
 ・文科省 2011年10月5日 
  「アルファ線放出核種(Pu-238,Pu-239+240)及び 
    ベータ線放出希少核種(Sr-89,Sr-90)のデータの処理について」 
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/10/05/1311753_1.pdf 
 
 ・横浜市, 2011-10-14 
  「いわゆるマイクロスポット堆積物のストロンチウムの測定結果について」 
http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/201110/images/phpOlkiqW.pdf 
 
 
 ・原子力安全・保安院, 2011-6-6 
  「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る 
    1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」 
 
表5 解析で対象とした期間での大気中への放射性物質の放出量の試算値(Bq) 
http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110606008/20110606008-2.pdf#page=13 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。