2011年10月20日15時23分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201110201523564

沖縄/日米安保

【辺野古浜通信】基地を受け入れなければ、沖縄の子どもたちは救われないのでしょうか?

 日本国の大臣が次々とアリバイ作りのため、また恫喝のために琉球を訪れています。一方で、民主党、自民党の国会議員たちが「沖縄の子どもの貧困のため」と称して、3日間もの日程を組んで日本国とは程遠い沖縄の子どもたちの凄惨な現場を視察して回りました。(用意され、すでにケアがされている「施設」だけですけど) 
 
 沖縄の子どもの現場における親、支援者、施設、行政、施策の貧困は凄まじく、内地との格差は広がるばかりです。 
 
 沖縄に生まれたというだけで、子どもたちは十分な保育や就学支援、放課後の学童保育などのサービスを受けられず、離島では中学校を出たら家族離れ離れでぎりぎりの生活を送っています。障害を持つ子どもの親が週2時間しか無い療育の時間をせめてほんの少し増やして欲しいと訴えると「行政も金がないのだ、あなた達がそんな要求をすると生活保護でギリギリ暮らしている人たちにしわ寄せが来るのだ、あなたはそれでいいのか1?」と逆に行政からきた施設所長が親を脅し、問い詰めた!という話も聞きました。格差の底辺に居る人間たち同士で争わせる典型的な差別と憎しみによる行政運営、格差肯定の植民統治の手法そのものです。 
 
 出生率が大きく、子どもたちが伸び伸びと美し海や空、自然の中でおじぃ、おばぁ、大家族に見守られて豊かに育つ島(NHKちゅらさん?)・・・というイメージとは裏腹に、沖縄で出生率を支えているのは、若年出産で極貧状態の一人親家庭の子どもたちではないかと感じています。その子たちといえば、車で数分先の海でさえ、まともに遊んだ経験のない子たちです。 
 
 沖縄の子どもたちの支援は、緊急の課題です。でも・・・ 
 
 基地を受け入れなければ、沖縄の子どもたちは救われないのでしょうか? 
 
 大勢の国会議員が沖縄を訪れ、児童養護施設を視察し、夜間保育の現状を聞き、民主党の幹事長が来て戦後の混乱期に中学校に行けなかったおばぁたちが通う夜間中学校を訪れ、、お金が出る可能性を匂わせ・・・、現場がこれまで身を削りながら支えてきた苦労が報われるかもしれないと、夢と希望を持てば持つほど、良かったねと思う反面、なぜか心は凍えるように冷えてきます。 
 
 今回の国会議員弾視察は自民党馳浩を団長に12名にも及んでいます。(沖縄の全国会議員7名も名を連ねていますが、それも、沖縄のために予算は欲しいという、必死の思いです。) 
 
 もし、本当に沖縄の子どもたちを救うために、国がこれから予算をつけていくのであれば・・・ 
 まず日本の議員と政府が、沖縄県民と子どもたちに膝まずき、両手をついて、こう語らなければならない。 
 
「いままで、沖縄を見捨て、子どもたちが米兵にレイプされようが自己責任と嘘吹き、国連が勧告しているにもかかわらず大切な琉球語を捨てるような教育を行い、貧困にあって苦しむ県民を戦後半世紀を超えてなお、見て見ぬふりをし続けたことを許してください。どうか、沖縄の未来の為に、子どもたちが琉球の豊かな文化と自然を享受し、人として最低限以上の文化的生活を保証されるために・・・、基地を受け入れようが、受け入れまいが、全力で取り組んでいきます。格差解消のために必要な資金は十分に用意し、沖縄の文化に敬意を払いつつその独自性を保持知る地域主導の教育を推進し、子どもたちの困難な現状を把握するための調査と検証を行います。申し訳ありません」 
 
 先日は、県庁で国会議員たちのよる記者会見が行われたそうです。 
「日本でも、沖縄でも、子どもたちは無条件に救われるべきである・・・」 
 せめて、そんな表明がなされていたのならよいのですが。 
 
◆辺野古浜通信 
http://henoko.ti-da.net/e3648435.html 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。