2011年10月26日00時58分掲載  無料記事
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アフリカ

カダフィ派53人と見られる死体がホテルから見つかる 処刑の可能性  イスラム主義の影響力が強まる

  10月25日付のニューヨークタイムズによると、カダフィ大佐の死に方が議論の的になっていたまっただ中の日曜、シルトのホテルの庭で、カダフィ派と見られる53人の死体が発見された。この中にはカダフィ政府高官も含まれていた。いくつかの死体は後ろ手で縛られており、処刑されたと見られる。ヒューマンライツウォッチのPeter Bouckaert氏がこのことを記録した。また、カダフィ大佐の遺体を検死した医師は、頭部の銃撃が死因と発表した後、体には複数の傷があったことも付け加えたという。 
 
  現在、リビアでは新たな政体への移行を準備しているが、国民評議会のアブドルジャリル議長は新政府はイスラム教に基礎を置くものになると発言した。利息を取らないイスラム金融の導入や男性が複数の女性と結婚できる婚姻制度などが導入されるという。憲法もイスラム教を核にするようである。そして、これはジャリル議長の個人的な見解に限らず、イスラム急進派勢力の影響力が強まっていることを意味すると報じている。 
 
  国民議会の議員200人を8か月以内に選挙し、選挙から1年後に新政府が誕生する見通しだという。 
 
■「カダフィ派53人が処刑される」 
  http://www.hrw.org/news/2011/10/24/libya-apparent-execution-53-gaddafi-supporters 
■ヒューマンライツウォッチが警告「リビアで武器が野放し 警告に対してNATOと国民評議会が数か月間対処せず」(映像あり) 
  野放し状態の対空ミサイルは高度5000メートルを飛ぶ民間飛行機を撃墜できるという。 
http://www.hrw.org/news/2011/10/25/libya-transitional-council-failing-secure-weapons 
■ティー・パーティがリビアの行方に警鐘 
「(ラッシュ・リンボー)オバマはリビアがシャリア法を導入すると知っていた」 
http://www.teaparty.org/article.php?id=1555 
  共和党右派のティー・パーティはラッシュ・リンボー氏のラジオでの発言「リビア政府の転覆とカダフィの殺害で同地域が(イスラム教の)シャリア法を導入することなることをホワイトハウスは知っていた」をウェブサイトで紹介している。米軍の動きに関心を持つ共和党右派は「アラブの春」がイスラム急進派に乗っ取られるとみているようである。「(ラッシュ・リンボー)我々はイスラム急進派がどんな連中か知っている 9・11のおかげでだ」 
http://www.teaparty.org/article.php?id=1550 
  上の批判もオバマ大統領をイスラム教と結びつけるあてこすりであろう。 


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