2011年11月18日00時42分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201111180042215

欧州

スペインの政治風刺漫画家、フォルヘス(Forges)

 スペイン紙エル・パイスに寄稿している常連漫画家の一人、Forges(フォルヘス 1942−)が漫画を描いているシーンが映像で紹介されていた。 
http://politica.elpais.com/politica/2011/11/17/actualidad/1321531749_772120.html 
  「タイトルはフォルヘスが初めてルバルカバを描く」とある。ルバルカバはアルフレッド・ペレス・ルバルカバで、スペイン社会労働者党(PSOE)党首である。漫画には目下欧州危機の中で「(破綻予備軍の)スペイン国債を保証するコストが400ポイントになった」と書かれている。 
 
  「11月17日(ブルームバーグ):17日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、スペインとフランスの国債を保証するコストが上昇し、過去最高を記録した。同日の国債入札で両国の借り入れコストが上昇したことから、リスク意識が高まった。CMAによると、ロンドン時間正午(日本時間午後9時)現在、スペイン国債のCDSスプレッドは26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の496bp、フランス国債のスプレッドは9.5bp上げ236.5bpとなった。スプレッド上昇は信用の質が劣化したとの認識を示唆する」(ブルームバーグ)http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920013&sid=ak.t_UehzYq0 
  ルバルカバはサパテロ政権の内相をつとめていたが、サパテロ元書記長(党首)が4月に支持率急落を受けて党首への再選をあきらめた。5月には与党PSOEが次期書記長(党首)にルバルカバを選出した。http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK892404220110530 
  スペインのサパテロ首相は7月、夏季の雇用データが上向いたことなどを機に、総選挙を4カ月前倒しで11月20日に実施すると表明した。9月26日、議会を解散するとともに、必要に応じて11月の総選挙前に追加の危機対策を打ち出す方針を表明した。選挙の告示は11月4日だった。 
  前回2008年に行われた総選挙では、下院の議席350のうち、与党PSOE(169議席)と野党第一党のPP(国民党:153議席)がほぼ拮抗しており、その他の小政党が複数ある。 
(ロイターなどを参照)http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT800595720110926 
 
  以下はフォルヘス作品から。 
 
  1 
 
http://www.elpais.com/vineta/?d_date=20111111&autor=Forges&anchor=elpporopivin&xref=20111111elpepivin_1&type=Tes&k=Forges 
  男がパソコンに向かいながら、もう一人に「職業は?」と尋ねると、尋ねられた男は「楽天家です」と泣きながら答えている。これはどこが舞台なのだろうか?最初は空港の税関に見えたのだが、それだと意味不明である。職業安定所かもしれない。そこは不明だが、失業者が増えていると解釈した。今の時代、専門職を持たない労働者は泣くしかないということか。 
 
2 
 
http://www.elpais.com/vineta/?autor=Forges&d_date=20111107&anchor=elpporopivin&k=Forges 
  「もし危機が続くのであれば、もう1台ヨットを買います」と言っているように思えるのですが、それがぶら下がっている巨大なはさみ群とどう関係しているのでしょうか? 
  ちなみにタイトルを見ると「TIJERO S.A」となっています。S.Aが「株式会社」であれば「はさみ株式会社」となります。(最初は英語のサービスエリアかと思ってしまいました。)ということはこの絵はヨットではなく、会社のようです。巨大なはさみがいくつも軒からぶらさがっている会社・・・。 
 
  この漫画は「危機」によって、富豪はさらに金儲けをするという意味かもしれません。この「はさみ株式会社」とはいったい何なんでしょうか?会社を買収した後、人や儲からない部門を大幅にリストラして金儲けできる部分だけに集約して、再び上場させ大儲けする会社(しばしば外資系)が日本でバブル崩壊後の90年代に続々と出てきました。リーマンショックと同じくしてバブル崩壊したスペインでもそのようなことが今、起きているのでしょうか?あるいは普通の会社自体が、バブル崩壊をテコに今まで手が付けられなかった部門を閉鎖し、人を減らして利益の上がる体質に変わることで経営者や株主が儲かっているということかもしれません。日本でもバブル崩壊後の後処理で利益を上げる人々が多数存在したことが記憶にあると思います。 
 
■天才トミー・アンゲラーの「政治」展 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201012222225413 
  「ニューヨークタイムズ編「NYT新聞アートの40年」 
  ミルトン・グレイザー、アル・ハーシュフェルド、ローラン・トポール、ジュールス・ファイファー、ブラッド・ホランド、アンジェイ・デュジンスキ、マイラ・カルマン、ロナルド・サールなど、錚錚たるイラストレーターの作品が登場する。トミー・アンゲラーの作品も登場。論説・オピニオンページを彩ってきた漫画、イラスト、デザインが10分の映像で紹介されている。」 
http://www.nytimes.com/interactive/2010/09/25/opinion/opedat40-illustration.html 
■アメリカの漫画家 ウォルト・ハンデルスマン ウォール街のデモを描く 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201110232117180 


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