2012年01月13日23時10分掲載  無料記事
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米国

10年以上も続くグアンタナモ収容所における人権侵害

【AIニュース】悪名高い米政府のグアンタナモ収容所に、最初の被収容者が移送されてから、丸10年が経った。米政府が、グアンタナモ基地にある収容所を閉鎖せずにいることは、人権に大きな禍根を残していると、アムネスティ・インターナショナルは述べた。 
 
 2000年代の刑事が1970年代にタイムスリップする英国のTVドラマが数年前にありました。暴力、脅し、なんでもありの1970年代当時の取調べ方法に怒った刑事が「ここは無法地帯か!?」と叫ぶシーン(字幕)がありましたが、英語のセリフは「ここはグアンタナモ基地か!?」でした。 
 
 2002年1月、「テロとの戦い」の名の下でキューバのグアンタナモ米軍基地内にある収容所に数百人が移送されてから、1月で10年になります。これまでに収容された約800人のうちの大多数はテロとはなんら関係なく、アフガン戦争で米軍に捕まったり、パキスタン軍や武装勢力に捕らえられた人たちでした。被収容者は外部との接触をいっさい絶たれ、拷問や虐待を受けていました。ブッシュ政権は米国の法律を適用しようとせず、グアンタナモはまさに「無法地帯」だったのです。 
 
 アムネスティなど人権団体がその実態を暴き、これまでに多くの人びとが釈放されました。2009年1月、就任直後のオバマ大統領は、選挙公約であったグアンタナモ収容所の閉鎖や尋問中における拷問の禁止などを命じる大統領令に署名しました。しかし、収容所は閉鎖されず、現在も171人が裁判もないまま無期限に収容されつづけています。この10年間、連邦裁判のために米国に移送された被収容者はたった1人です。 
 
▽オンライン・アクション(英語) 
http://amnesty.org/en/appeals-for-action/End-detentions-at-Guantanamo-Bay 
 
 アムネスティ国際事務局は、米国政府が国際人権法や人道法に則ってグアンタナモに収容されつづけている人びとの権利を保障し、拷問や虐待、強制失踪に関与した関係者の責任を追及するオンライン署名を実施しています。集まった署名は一般教書演説(=1月24日)前にオバマ大統領に送ります。 


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