2012年01月21日11時57分掲載  無料記事
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政治

呆れた首相  〜政治家とは?〜  原村政樹

  呆れた日本の首相。放射能汚染されたリサイクルコンクリートで建てたマンションが又福島の人達を苦しめている。その利用について全く無作為であった日本政府。二本松市長が上京、早急の対策を野田総理に直々求めた。首相は「関係官庁と相談して」と。これが政治家といえるのか?これでは木端役人の発言ではないか!日本の悲劇、いや、世界の喜劇だ。 
 
  初めに報道された時、多くの人は汚染コンクリートでマンションを建てた業者が悪者と感じたに違いない。今もそう勘違いしているかもしれない。しかし彼らは例年通りの仕事をしただけだ。勿論、 その高濃度汚染を知っていたとすれば道義的な責任はあろう。しかし原子力の専門家ではない。専門家は大勢、国側にいる。知っていたはず。それを野放しにしていたのか?、気がつかなかったのか(それでは済まされない)?、前例がないので無責任で通したのか!。 
 
  こんなことを書くのは、またか!と思うからだ。夏、宮城・福島の牛肉の汚染問題があった。野ざらしにしていた稲藁を餌にしたため、降り注いだ放射能が大量に付着した。農家は通常どうりにそれを餌にした。それが汚染されているとは知らずに。報道でしった都市住民は農家に怒る。怒る相手が違う。畜産農家だけでない。椎茸農家も絶望にある。国は「全ての原木を廃棄せよ、木を切って新たなホダギを作るな」、と、規制を迫る。規制はしてもその手当は全くないと年末に会った椎茸専業農家のグループは怒っていた。その怒りの言葉の数々を聞きながら、私は福島に1年近く通い日本は人を大切にしない国だと改めて痛感した。 
 
  今回の総理の対応を聞いても危機管理に無頓着、無神経、心がない。冷たい。政治家なら、そして官僚なら困っている市民の身になって考え、行動するのが当り前ではないか。そんなことすら忘れたのだろうか。原発事故のこれほどの事態を政治家たちは解っていないのではないか?人口過密地帯での世界初の原発事故を起しても、原発技術力の高さを売りにアジアに売り込もうとしている。これぞ「死の商人」か!こうした場で怒りを書くまいと思っていた矢先、野田総理の自分で判断せず、困っている人々を直ぐに助けようとしない対応はあまりにひどいと思いませんか? 
 
  年末、二本松市の旧渋川村での全農家の米の出庫停止要請を出したのも野田総理の名前においての事。その説明会を傍聴したとき、「自分の米は自分で全て測り、ND,つまり未検出だった。それでも売ってはならないのか」との農家の質問にひたすら、国の指示が出ているから売ってはならない、今は違法行為になる、国にお願いするから待ってほしい」、何を農家が質問しても「ご理解してください」というばかりで、何も答えない。それもひどいが、聞く相手の総理も同じスタンスでは、一体、どうしたらいいのか、私は日本人、自国は愛おしい。しかし、これでは誇れない。だれに自虐的といわれようが情けない日本としか思えない。 
 
原村政樹 (ドキュメンタリー映画監督・ディレクター) 


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