2012年02月05日12時46分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】日本の原発政策、その最大の弱点を突く ――汚染者負担の原則は東電を許さない (2)  槌田 敦

◆【刑事事件1.未必の故意による致死傷罪】 
 
 福島原発事故は、大量の放射能を環境にばらまき、避難などで数十人を死なせ、多くの人々を苦しませ、数人を自殺に追い込むなどして、福島県民に多数の死者、心身障害者を発生させた。それだけではなく、BEIR−司鷙陲砲茲譴弌∪験兇砲いて100人が平 
均して100ミリSv被曝すると1人はがんになり、またその半分はがん死するから、生涯被曝が50ミリSv増と予想される福島県民200万人の場合、1万人はがんになり、その内5000人はがん死することになる。 
 
 さらに、福島県を除く東日本(5000万人)で生涯被曝10ミリSv増により5万人のがんの発症とその内2万5千人のがん死者を発生させることになる。 
 
 そもそも、「原発は火力発電よりも安価」として登場した。ところが、安全対策の費用が次々と追加されることになり、原子力発電は火力発電に比べて発電費用が上回ることになってしまった。 
 そこで、勝俣恒久前社長ら歴代社長は、安全対策費用を節約すれば、人を殺めるかも知れないことを承知しながら、安全対策費用を節約して原発を運転してきたのであった。これは「未必の故意」といって、故意の一種とみなされる。 
 
【未必の故意】意図はないが、ある事実が発生しても仕方がないとして為す行為 
 
 具体的には、(1) 立地条件の改悪と防波堤を形ばかりにした罪、(2) 原子炉内の計測を7時間以上も不能にした罪、(3) 水素逃し口を作らず、1号機の建屋を水素爆発に至らせた罪、(4) 高圧注水系電源の津波対策をしなかった罪、(5) 1号機、非常用復水器の欠陥を放置した罪、(6) 2〜6号機、残留熱除去系から蒸気凝縮系を削除した罪、などがある。 
 
◆刑事事件2、業務上過失による致死傷罪】 
 
 福島原発事故は、業務上過失致死傷罪(刑法第211条1項)としての刑事事件でもある。吉田所長の業務上の過失が、福島原発事故による災害を拡大したのであった。 
 
 その過失は、すべて吉田昌郎所長の思い込みによる。それは、(1) 高圧注水系の使用を躊躇した、(2) 非常用電源の回復を後回しにした、(3) 海水を注水した、(4) そのために原子炉圧力容器の逃し弁を開いた、(5) 格納容器をベントした、(6) 中性子計測結果を改ざんした疑惑、(7) 4号機原子炉に燃料を搬入していた疑惑、である。この中でも、(4) は、浪江町、飯舘村、福島市、郡山市などを襲った放射能の最大原因である。 
 
 これらは、すべて吉田所長の思い込み、重大な不注意、そして事故隠しであって、原発苛酷事故対策での異常行動であり、業務上過失である。 
                             (以下続く) 


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