2012年02月20日08時59分掲載  無料記事
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反戦・平和

日独の空襲体験者らが「人間の鎖」に参加 ドレスデンで平和のための式典

  東京などの空襲体験者や空襲研究者・支援者らがドイツを訪れ、2月13日、空襲被災都市ドレスデンの平和のための式典や1万人が参加した「人間の鎖」に参加、ドイツの戦争体験者たちとの交流を行なった。(加藤〈karibu〉宣子) 
 
 ドレスデン空襲は、第二次世界大戦末期の1945年2月13日から15日にかけて連合国軍(イギリス空軍およびアメリカ空軍)によって行われたドイツ東部ザクセン州の州都ドレスデンへの無差別爆撃で、「エルベの真珠」とよばれた古都の85%が消失し、2万5千人が死亡したと言われる。 
 
 東京大空襲体験者の支援を続けている和・ピースリングが呼びかけ、大阪と東京とドイツ国内などから20人の日本人が参加した。交流に参加した体験者は、東京大空襲の体験者、二瓶治代さん(75歳)と鹿児島で空襲に遭った安野輝子さん(72歳)。 
 
 二瓶さんは三王教会で講演、黒こげの死体の下から奇跡的に助かった話をドレスデン空襲体験者の前で話した。ドレスデン空襲を体験したノルベルト・シュレヒテさん(82歳)は、二瓶さんの話を聞いて「東京もドレスデンと同じくらい酷かったんだなと思った」と話した。交流会では、参加者から「加害者としてのドイツの存在も忘れてはいない」と語られた。 
 
 二瓶さんは「人間の鎖に参加できて良かった。ドイツの人と肩を組めて、つながった気がした。ドレスデンは穏やかで、広くて静かな素晴らしいところだった。通訳を介した講演は初めてで緊張した。瓦礫を集めて再建したフラウエン(聖母)教会*が見たかったので、本当に見られてよかった、追悼式典に参加できてよかった」と語った。 
 
 ドレスデンに新しく造られた軍事史博物館なども見学、第二次世界大戦以前の軍隊のユニフォームや「軍事と動物」といった新しい展示の仕方などを見学した。その後ベルリンに移動、ユダヤ人虐殺警鐘碑や処刑所跡地・防空壕跡などを訪れた。 


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