2012年03月18日01時22分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201203180122270

米国

イランとアメリカ

  イランの核開発をめぐる議論がニューヨークタイムズで盛んに掲載されている。3月9日付の一枚の漫画ではオバマ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相がテーブルをはさんで向かい合っている。ネタニヤフ首相が「すべてのオプションをここに用意しました」と言う。テーブルの上にあるのはただ1つ’BOMB IRAN(イラン爆撃)'である。 
 
  同日のコラムにはトーマス・フリードマンが「イスラエルの最良の友人」と題する一文を寄稿している。その問いかけはこうだ。 
 
  「僕が唯一知りたいことはオバマ大統領は歴代米大統領の中で最もイスラエル寄りの大統領か、それとも何人かの最もイスラエル寄りの大統領の一人なのか、ということだ」 
 
  フリードマンはコラムの中で、オバマ大統領がイランの核開発がイスラエルにとっての脅威ではなく、世界の脅威でもあると認識していることを報じている。その論理は、イランが核兵器を開発すれば中東の周辺国で核兵器開発競争が激化し、それは最終的には米国や世界全体に波及する、だからイランの核開発はイスラエルの問題にとどまらない、という考え方である。 
 
  今年は米大統領選であり、イランの問題が大統領選にどう影響するかが、これからの見どころだろう。 
 
  これら漫画やコラムがニューヨークタイムズ出たのはちょうど、ホワイトハウスでオバマ大統領とネタニヤフ首相が会談した記事の出た日である。 
 
  記事によればイランを空爆してもイランが核兵器を持つのを3年か4年遅らせることができるだけで、しかも、攻撃後はよりイランの指導者が西欧に対抗するために結束し、核兵器開発をもっと秘密裏に進めるであろうとオバマ政権は考えているようだ。また元CIA職員で現在はエネルギー省職員で核拡散問題を専門にしているRolf Mowatt-larssen氏によれば、米側とイスラエル側とでイラン武力攻撃の効果について考えに溝があるそうである。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。