2012年03月20日13時28分掲載  無料記事
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肥田舜太郎著『内部被曝』 (扶桑社新書)  解説・竹野内真理

 じわじわと命を蝕む、低線量・内部被曝の恐怖。67年にわたって原爆被ばく者6000人以上を診察、「低線量・内部被曝」の恐怖を訴え続けてきた医師が警告する、福島第一原発事故後初の著書。 
 
内部被曝 (扶桑社新書) [新書] 
肥田舜太郎/著  竹野内真理/解説 
200ページ 定価:760円(本体724円+税) 
発行日:3月19日 
 
 放射性物質を取り込むことで体の内側から被曝し続ける「内部被曝」。外部被曝と違って、体外に排出するまで被曝から逃れることはできない。昨年の原発事故による内部被曝の不安に対して“専門家”たちは「低線量の被曝であれば問題ない」と言うが、それは本当なのだろうか? 
 実は「高線量×短時間の被曝よりも低線量×長時間の被曝のほうが人体に悪影響がある」という研究がある。しかし、これまでそうした研究は軽視・無視されてきた。 
 
 広島・長崎でも、原爆の直撃を受けていない人々が「原爆ぶらぶら病」という原因不明の病気にかかり、最後はガンや白血病で亡くなっていった。 
「これから同じことが再び起こるのではないか」 
 67年にわたって原爆被ばく者6000人以上を診察、「低線量・内部被曝」の恐怖を訴え続けてきた医師が警告する、福島第一原発事故後初の著書。 
 
●本書の主な内容● 
・これから東日本で広島・長崎と同じことが起こりうる 
・外部被曝と比べた内部被曝の恐ろしさ 
・「年間何ミリシーベルト以下だから健康に影響はない」というのは大きなウソ 
・隠され続けてきた低線量内部被曝の被害 
・被爆体験と「原爆ぶらぶら病」 
・“1億総被曝時代”を生きるには 
 
【解説・竹野内真理】 
肥田先生からの手紙〜子どもたちは国の責任で避難させるべき〜 
 
▼著者プロフィール 
肥田舜太郎(ひだ・しゅんたろう) 
1917年広島生まれ。医師。広島市への原爆投下により自身が被ばく、その後被ばく者の救援・治療にあたる。6000人以上の臨床体験をふまえて「原爆ぶらぶら病」と呼ばれる症状や、低線量・内部被曝の影響に関する研究にも携わった。著書に『ヒロシマを生きのびて』(あけび書房)、共著書に『内部被曝の脅威』(ちくま新書)など。 
(竹野内真理) 


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