2012年04月10日13時42分掲載  無料記事
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沖縄/日米安保

≪twitterから≫ミサイル防衛  米国の思惑は対中国の軍事最戦線に日本を置くこと  孫崎 亨

 琉球新報が私の「ミサイル迎撃は不可能」のインタビューを掲載。ミサイル防衛システムは軍事拠点を守る物で、民間地を防御するには不完全で全く機能しない.こちら側の攻撃拠点を防御するために同じ軌道で飛んでくる敵のミサ イルを正面から迎撃することは可能かも知れないが、と話した。 
 
 予測不可能な軌道で落下してくるミサイルを迎撃するのは物理的に不可能だ.防衛省が「不測の事態」といっている日本領域内への落下自体が「予想外」の軌道。軌道予測の外れた、秒速数キロで落下してくるミサイルを迎撃出来るは ずがない。 
 
 米国は財政難で軍事費の削減を迫られる中、中国との経済的な関係を重視し協調路線を重視していく。対中国では後方配備に切り替え、抑止と防御の負担を日本側に肩代わりさせる「オフショア・バランシング」の戦略を進めていくだろう. 
 
 今回、ミサイルの軌道がたまたま南西地域上空を通るが、日本政府は「これ幸い」とばかりに米国の意向に沿ってPAC配備を機に南西地域の自衛隊強化を図る方針だろう。北朝鮮内では開発を力で押さえこまれるのには反発がある。米国に出来るだけ抑止力を持ちたいという意図があるはず。国内の主導権争いで優位性を保ちたい軍部が金正恩に発射を迫っている可能性がある。 


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