2012年04月19日12時01分掲載  無料記事
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環境

太陽光発電パネルや風力発電を利用 ショッピングセンター「アリオ上田」店

  「環境負荷が小さい小売業」の実現を目標に掲げる大手小売業者イトーヨーカドー(本社:東京都千代田区)の取り組みが注目を集めている。一例として、「アリオ上田」(長野県上田市)をのぞいてみた。(上田市=和田等) 
 
 全国に現在13店舗ある大型ショッピングセンター(SC)の「アリオ」各店舗では、化石燃料比率の低い深夜電力を利用して製氷し、解氷した冷たい水を営業時間中の冷房に使用する「氷蓄熱システム」を導入。このシステムにより、従来型の冷房設備に比べ年間5%のCO2排出量削減を図っている。その他にも、深夜電力を蓄えて日中の電力に使うNAS電池や、エネルギー効率に優れるコジェネレーションシステムを導入するとともに、ソーラー電池を利用した照明、井戸水を利用した空調など自然エネルギーの積極的な活用にも取り組んでいる。 
 
 上田市は同社の鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)の出身地。アリオ11店目のSCとしてオープンしてから4月21日に1周年を迎える「アリオ上田」では、ソーラーパネル560枚、面積にして25メートル・プール2.5個分にある796平方メートル分を設置。晴れた日には最大590キロワットが発電でき、店内の照明用電力として使っているという。これにより年間約41トンのCO2削減が見込めるとしている。 
 
 さらに上田店では風力ソーラー発電付LED外灯を取り付けるなどの試みにも着手。 
 
 また神奈川県相模原市内に2010年9月に開業した「アリオ橋本」には、発光ダイオード(LED)照明をSC全体の約7割に当たる1万3000個設置、国内最大級の設置数を誇る。 
 
 LED照明のほか、同社のSC最大となる太陽光発電パネルも1178枚とりつけているが、店内の全トイレ、エスカレーター上部などの年間の照明をまかなえるだけの発電量を生み出している。 
 
 環境やエネルギー問題のほかにも同社は、なかなか外出ができない高齢者の多い上田市周辺地域に販売車を派遣し、SCと同じ価格で商品を販売するなどの地域貢献にも積極的に関与。地域社会とともに歩む企業のひとつのあり方を提示しているとの評価を得ている。 


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