2012年06月12日23時45分掲載  無料記事
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福島から

「くらしと営農の足元から”原発いらない”を発信」  福島・三春町で農産加工グループの太陽光発電が完成、記者発表  

 市民グループ「福島・農と食再生ネット」(西沢江美子代表)と福島県三春町の農村女性グループ「芹沢産加工グループ」(会沢テル代表)が取り組んできた「農産加工を太陽光エネルギーで」のプロジェクトが完成、発電を開始したのを受け、6月12日、両グループの主催による記者発表が現地で行われた。地元新聞、テレビなど各社が参加、「原発の足元で、くらしになかから“原発いらない”の意思を表明したもの」という両グループの説明を聞き、現場を取材した。(日刊ベリタ編集部) 
 
記者発表が行われたのは、三春町芹沢地区の民家を改造した農産加工所。農産加工グループ6人の女性たちの拠点になっている。太陽光パネルは加工所に隣接する高台の畑に設置されており、毎時5KWを発電する。発電が実際に開始されたのは5月14日で、農産加工に使って余った電力は東北電力に売電される。 
 
 加工所ではグループのメンバーが生産したコメや野菜、大豆などを原料にモチやマンジュウ、凍みモチ、凍み大根、漬け物などがつくられている。保冷庫、冷凍ストッカ―、モチつき器、照明などすべて太陽光発電でまかなわれている。 
 
 加工品は原料段階、製品になった段階ですべて三春町が設置した放射能検査所で測定し、安全には万全を期している。三春町では現在国の基準の5分の1のキロ当たり20ベクレルを超えたものは販売しない方針で臨んでおり、加工グループもその方針に沿って運営している。実際、未検出のものがほとんどとグループ員は話している。 
 
 この発電設備は「福島・農と食再生ネット」が、大阪の連帯労組関西生コン労働組合の支援ををベースに、幅広く呼び掛けて資金を集め、2011年3月11日の大震災の後、復興支援で立ち上げらてた「東日本『つながり・ぬくもりプロジェクト』(東京・中野区、環境エネルギー政策研究所内)と「自然エネルギー事業協同組合」(埼玉県小川町、桜井薫代表)の力でつくられた。 
 「福島・農と食再生ネット」の西沢代表は、「放射能を不安に思いながら地域で暮らすことを決意した人、暮らさざるを得ない人が村には沢山いる。その人たちの生きる権利を一緒にたたかいとる活動であり、同時に日々のくらしの足元で“原発いらない”の意思を具体的に示すものでもある」とこのプロジェクトに意義を語っている。 


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