2012年07月29日18時24分掲載  無料記事
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スポーツ

ロンドンの五輪のテレビ放送とは?

 ロンドン五輪のテレビ放送の実態はどうなっているのだろうか?マルチチャンネル化の現状を報告したい。(ロンドン=小林恭子) 
 
 五輪開会式後の初日、英国では自転車ロードレースで自国選手マーク・カベンディッシュが金メダルを逃し、失望感が出た。このとき、レース全体の様子が十分には放映されなかったようで、BBCに苦情が殺到したようだ。しかし、BBCによれば(サンデー・タイムズ紙、29日付)、映像は国際オリンピック委員会(IOC)が撮影したものなので、BBCとしてもほかにやりようがなかったということであった。 
 
 いまひとつ、問題になっているのが、カメラが競技の会場を映し出すとき、場所によっては空席が目立ってしまったこと。チケットはほぼ売り切れで、観たい人がたくさんいるのに、「これはいったい何事か」と。どうも、まとまった空席はスポンサーやIOC関係者に配られていたものらしい。ラジオで昨晩ちらっと聞いたところでは、ハント文化・メディア・スポーツ大臣も、誰がこうしたチケットを買って会場に姿を見せなかったのか、名前を出すことも考えているとか。まったくもって、残念なことである。 
 
 テレビ放送はどうなっているかというと、まず、BBC1(日本で言うと、NHKのチャンネル1)がオリンピックの専門局となっている。一日中、オリンピックを放送。普段BBC1で放送されている番組はBBC2に移動したり。ただし、定時のニュースがあったりした場合は、BBC2でオリンピック放送。BBC3もオリンピック専門。ニュース専門局BBCニュースも、実際にはオリンピック中心で、時々、「スポーツハイライト」として、オリンピックのまとめが入る。 
 
 それと、ここが驚くのだが、BBCは、「すべての競技を放送する」をモットーにしている。そこで、上のBBC1とかBBC3のほかに、24のオリンピック専門チャンネルを作ったのである。 
 
 ケーブル放送のバージンメディア、衛星放送スカイのサービス、およびフリーサットの契約者になっている場合(合計で、契約者は少なくみても1300−1400万家庭を超える)、テレビをつけると、24の新たなチャンネルができたことになった。「オリンピック1、オリンピック2・・・・オリンピック24」など。 
 
 ほかにも、セットトップボックスを使うフリービューというサービスがあるが、これと、それからBTビジョンというサービスに契約している場合は、2つの新しいチャンネル(301と302)ができており、これを観れば、ハイライトが放映される。 
 
 そして、「もし」こうしたサービスの契約者になっていなくても、ネットがあれば、BBCのスポーツサイトで、http://www.bbc.co.uk/sport/0/ 現在・過去の競技が見れる。 
 
 ラジオはBBCラジオ・ファイブ、BBCファイブ・ライブオリンピックスエキストラ、BBCファイブ・スポーツエキストラなどで聞ける。 
 
 チケットがなくても、戸外で開催されるロードレース競技の沿道に立つか、ハイドパークなどビックスクリーンのある場所でわいわい言いながら応援できる。パブなどもスクリーンを用意している。 
 
 「今、起きていることを」「すぐに」「無料で」「過去情報も含めて」、「どんなデバイスでも」視聴できるーこれが2012年現在の特徴だ。 
 
 「もし」東京にオリンピックが招致されたら、きっと、これをしのぐマルチチャンネル化になっているのだろうなー。(ブログ「英国メディア・ウオッチ」) 


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