2012年10月28日10時36分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】福島級事故がおきたら...全国16原発放射能予測に思う   柳田 真 

 国の原子力規制委員会(国会承服いまだなし。不当で原子力ムラ中心の人事)が24日、福島級の事故が起きたら―の全国16原発の放射能拡散予測を公表した。初めての公表。30キロ外でも放射能高線量の地域が4つも並ぶ。東電柏崎刈羽原発事故で新潟県魚沼市40km、中部電力浜岡原発事故で静岡県の掛川市、関西電力大飯原発事故で32kmの京都市、南丹市他。原発で過酷事故が起きた場合の被曝を想定した国は、本来なら原発を作る前に住民に見せるべきであった。電力会社も国も「絶対安全」と言って見せずにきた。ソ連チェルノブイリ事故(1986年)が起こったにもかかわらず。公表していれば、原発反対運動は大きく違っていたはず。 
 
○福島級の事故が次に起きた時どう逃げるか? 
 たとえば大飯原発は、唯一の橋は倒壊するし、渋滞の幹線道は高線量だし、柏崎市は冬の雪道は通行止めだし、、、。 
 もし、近隣する原発が共に事故を起こしたら(たとえば若狭湾は原発銀座といわれる程、10数の原発が林立している)放射能はこれよりもっともっと巨大なものとなり、手の打ちようがない。 
 
○規制委員会は原子力事故の防災対策を30キロ圏自治体は作れと言っている。 
 再稼働の前提だといって各自治体に迫っている。30キロ圏内の全国135自治体(480万人の人口)は苦慮している。 
 
○はっきりいって、原子力過酷事故の防災は無理である。巨大な放射能放出と戦える生物はいない。武器はない。一番の防災は超危険物をやめることだ。 
 もとから断つことだ。原発を廃炉にすることである。これが唯一、安心の道である。原発なしでも電気は大丈夫。現在の状況(50原発中。稼働原発2基のみ。その2基もなしで大丈夫)が証明している。今後の再稼働なんてとんでもない。原発即時廃止こそ日本を救う道だ。 
 
○日本人の習性か。「予想はできるが考えたくないこと、イヤな事は考えない」で来た。多くの人にも是非再考してほしい。原子力ムラ(実は原子力利権共有帝国)をここまでのさばらせてきた原因の一端は我々のうちにあることを。 


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