2012年10月30日21時46分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】一人ひとりが、原発が自分の問題になったとき、原発は止まる  

 1976年、大間町商工会が町議会に原発建設要請して始まった大間原発。日本の50数基の原発のうち地元が要請した初めての原発である。下北半島を下に進むと、むつ市に使用済み燃料中間貯蔵施設、東北電力東通原発、六ヶ所再処理工場、そのすぐ下には米軍三沢基地がある。地図で見る下北半島は核処理施設の吹きだまりである。(大間原発訴訟の会 野村保子) 
 
 六ヶ所再処理工場は日本各地の原発から出てくる使用済み燃料を剪断し、プルトニウムを取り出す工場である。プルトニウムを燃やしてエネルギーとプルトニウムを取り出し、それをまた燃やす夢の核燃料サイクルは、高速増殖炉もんじゅの事故で頓挫したままである。すでに40トン以上溜め込んだプルトニウムの存在が世界から注視され、その核疑惑を消すために大間原発は作られる。 
 
 青森県の電気は東通原発1基あれば足りる。毎年6、5トンのプルトニウムを燃やす大間原発はプルトニウム処理に不可欠なのである。 
 
 大間原発はプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を100%装荷する。ウランと比べてプルトニウムは燃焼温度が高く、使用済み燃料もまた発熱量が高い。MOX燃料とウラン燃料の使用済み核燃料の発熱量を比較すると、ウラン燃料の10年後よりもMOX燃料の100年後の方がまだ高い。100年経っても減らない崩壊熱を冷やし続けなければならないのである。電気を作らない原発の崩壊熱を冷やし続け、13ヶ月ごとの定期点検を受けるその費用は誰が負担するのか。今生きている私たちでないことは確かである。次の世代、そのまた次の世代に理不尽な負の遺産を押し付けてはならない。原発を作り出した私たちが、このつけの始末をつけなければ世界は終わる。 
 
 原発は冷却のために必要な水(海水)を毎秒91トン取り込み、7度高くして海に戻す。毎秒91トンの温かい川を津軽海峡に吐き出す大間原発。7度高くした海水は海の生態系を狂わせる。また、海水を取り込む時、海の生物、稚貝やプランクトンを殺すために大量の化学薬品を投入するがその薬品とともに7度高い海水を海に戻すのである。温度と薬品のダブルで海を壊すのが原発なのである。 
 
 大間原発の建設主体電源開発(株)は、原発は建てたことも運転したこともない、MOX燃料を100%装荷する、敷地内に未買収地がある、火山に近い初めての原発、函館・道南には37万人が住む、などこれまで例のない原発である。 
 
 10月1日工事再開した大間原発は、福島原発事故以降初めて新設される原発になる。福島原発事故が福島やその他の人たちに追わせた大きな傷を思うと、これ以上の原発は絶対に作ってはならない。今なら止められる。燃料が入っていない今なら戻れる。そのために出来ることを考えてみた。 
 
 * 原告になる 
 * このことを誰かに話す 
 * 電源開発に電話あるいはメールする 
 * お住まいの地方自治体の長、あるいは教育長に電話する 
 
 私の考えついたの以上だが、一人一人が自分で出来る原発を止める方法を見つけてほしい。 


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