2013年01月02日13時51分掲載  無料記事
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アジア

タイ:最賃は引き上げられたが、格差は拡大

 タイでは明日1月1日から最低賃金額が全国一律で1日300バーツに引き上げらたが、依然工場労働者とホワイトカラー層の賃金との間には大きな隔たりがある。現政権は大卒者の初任給として月給1万5千バーツの保証をうたっているので、実働20日とすると1日750バーツとなり、最低賃金額と2.5倍の差があることになる。(岡本和之) 
 
 以下は、プラチャータイ紙が「今日の言葉」として引用していた、労働・経済の研究者ウォラドゥン・トゥラーラック氏のインタビュー発言。 
 
「最低賃金の引き上げは社会の中で得られる最低額の保障についてである。しかし、実際には今日の論議の中で最低賃金すなわち最高賃金として扱われている。そもそも最低賃金というのは社会の中で1人の個人が質を伴った生活を維持するための保障だ。それが300バーツに上がったからといって、労働者が社会の中で質を伴った生活を送ることができるということにはならない。300バーツの日給で20日働いたとしても得られのは月6千バーツだけ。子どもがいたらとても生活できない」 


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