2013年02月01日14時39分掲載  無料記事
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中東

【AIニュース】60万人を超えるシリア難民、ヨルダン側封鎖でさらに苦境に

 ヨルダン政府は、シリアのアサド政権が崩壊した場合、国境を封鎖すると発表した。紛争を逃れようとする難民を拒否した場合、難民はますます苦境に追い込まれ、流血と人権侵害がさらに拡大する。(アムネスティ国際ニュース) 
 
 ヨルダンのヌスール首相は1月24日、「アサド政権が倒れた場合、もしくは難民が急増した場合には、難民をシリア国内に留め、領土内への流入をこれ以上認めない」と、記者会見で発言した。 
 
 シリアの人びとが最も保護を必要とするときに、ヨルダンが国境を封鎖する恐れが現実味を増し、人びとをさらなる危険にさらしている。 
 
 アサド政権の支持者の多くは、シリアの少数民族である。アサド政権の支持者たちは、すでに武装した反政府勢力による報復攻撃にさらされている。 
 
 また、他にも多くの人びとが、シリアで続く暴力と人道的危機からの避難を求めることになるだろう。市民は、どの集団やコミュニティに属していても、党派間の紛争を避けるために、シリアを去ることを余儀なくされるだろう。 
 
 またヨルダン首相は17日の記者会見において、「シリアのIDカードで、シリアから逃げるパレスチナ人の入国も拒否する」と述べた。 
 
 ヨルダンも、また他のシリア近隣諸国も、国際法の下、迫害や人権侵害から逃れた人びとが、それぞれの国で庇護を求めることができることを保障する義務がある。国家は、何人たりとも、いかなる方法でも、迫害の危険や深刻な人権侵害に晒される国や、領土内に強制送還することは許されない。国境で避難民を拒否することも許されない。 
 
 当局は、アイデンティティを理由に、庇護を希望するパレスチナ人を拒否してはならない。 
 
■60万人を超えるシリア難民 
 
 これまで62万以上のシリア難民が、紛争を避け、中東や北アフリカの近隣諸国へ逃れた。米国の統計によると、流血紛争でこれまでに少なくとも6万人の死者が出ている。 
 
 最近のヨルダン難民キャンプでの洪水もそうであったように、何とか国境を越えた人びとの多くは、厳冬の中で極限の苦難に耐えている。国連難民機関によると、ヨルダンはシリアから18万7552人の難民を受け入れている。 
 
 アムネスティは、ヨルダンなど近隣諸国が、人びとの大流入で相当な資源負担が生じたにもかかわらず、寛容に大量の難民を受け入れてきたことを認識している。 
 
 シリア近隣諸国が国境を開放し続けることは最も重要だが、同時に国際社会は、難民とそれを受け入れる近隣諸国への支援を強化しなければならない。 


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