2013年02月25日12時01分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】 モロッコ軍事法廷がデモ逮捕者24人に重罪判決  平田伊都子

 西サハラ最新情報No54でお知らせした24人西サハラ被告全員に、モロッコ軍事法廷は有罪判決を下しました。審議を突然打ち切り、2013年2月16日から17日にかけて9人に終身刑、4人に禁錮30年、7人に禁錮25年、2人に禁錮20年、残りに禁錮2年を宣告しました。24人は2010年に、西サハラ住民による平和テントデモに参加しただけなのです。モロッコ軍事裁判所によるあまりに常軌を逸した重罪判決と、逮捕後27か月間にわたり被告を獄につなぎ拷問や性的暴行を続けてきたモロッコに対して、国際社会では糾弾の声が湧き上がっています。 
 
◆2013年2月17日、フィリップ・ルーサー国際アムネステイ−中東北アフリカ担当官は 
 
「未決の被告を拘禁し拷問をしたこと、平和デモに参加したことに対する有罪判決、あまりに重い刑罰は重大な人権侵害である。そもそも平和デモの参加者を軍事裁判で裁くこと自体が、国際人権法に違反する」と、強く非難した。 
 
◆同年2月18日、西サハラ政府はバン国連事務総長にモロッコ軍事裁判の非合法性と非人道性を訴え、判決の即時無効と国連の関与を求めた。2月21日には、ナビ・ピライ国連人権高等弁務官にモロッコ軍事裁判を告発する書簡を送った。 
 
◆同年2月19日、USWS(アメリカ西サハラ財団)やRFK(ロバート・ケネデイー)人権センターなどが国連安保理にモロッコ軍事裁判の停止と被告釈放の要請書簡を提出。 
 
 ルパート・コルビーユ国連人権高等弁務官職員がモロッコ軍事裁判を批判した。 
 
 スエーデンやデンマークの人権団体がモロッコ軍事裁判非難声明を出した。 
 
◆同年2月20日、SCRG(紛争解決の策略グループ)はモロッコ軍事裁判の判決を破棄させるよう、国際社会が一致団結して行動することを提案した。ガーディアン英国紙がモロッコ軍事裁判を糾弾する記事を掲載した。 
 
 アイルランド外務大臣イーモン・ギルモアが、モロッコ政府を非難した。 
 
◆同年2月21日、フィンランド共産党とイタリア共産党は、モロッコ軍事裁判を強く告発するとともに、「西サハラ住民の民族自決権を行使する国連西サハラ住民投票の実現を、国際社会とヨーロッパはこれ以上放置してはいけない」と、主張した。 
 
 「植民地主義は現代社会が断じて容認できない代物だ」と、バン国連事務総長が国連脱植民地化委員会で断言した。 
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 2013年2月21日から、スペインのマドリッド、ラスパルマス、セビリア、ビルバオ、コルドバ、マラガ、ウェルバ、アルメリア、ポアン&ムルシアといった各都市で、モロッコ軍事裁判とモロッコ占領政策に反対するデモが広がっていきました。 
 
 2月27日にはパリで大きな西サハラ民族自決権支援デモが行われます。その頃パリにいらっしゃる方はぜひ、デモを覗いてみてください。 
 
(写真は「グデイム・イジク平和テントデモで逮捕され有罪判決を受けた23西サハラ住人(24番目不在)」) 
 
WSJPO西サハラ政府・日本代表事務所 
 所長:川名敏之 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)  代表:平田伊都子 


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