2013年03月11日13時46分掲載  無料記事
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核・原子力

子どもたちの心電図に異常、健康調査実施を求めて 関東の母親たちが署名活動

 放射能被ばくにさらされているのは福島の子どもたちだけではない、子どもたちの心電図異常も増えている。関東の子どもたちも健康調査を実施してほしい…茨城県・千葉県北西部・埼玉県南東部の35団体で組織する「放射能からこどもを守ろう関東ネット」が子どもたちの健康調査を国に求めて署名活動を開始した。(上林裕子) 
 
 昨年6月21日に公布・施行された「原発事故子ども被災者支援法」は東京電力福島第一原発事故により被害を受けた子どもや住民の「避難の権利」を認め、その健康や生活を支援するために超党派議員立法で作られたが、具体的な施策については何も決まっていないし予算措置もされていない。対象になる地域についても何も決まっておらず、このままでは福島以外の地域は対象から外れてしまうのではないかと懸念し署名活動を行うことを決めた。 
 
 事故直後の3月15日、強い北風によって放射性物質は関東一円に流れ、神奈川・静岡地域までも汚染、お茶やかんきつ類からセシウムが検出された。放射性物質は県境を越えて関東各地にも降り注いでいる…不安を抱えた子育て中の母達はそれぞれ独自に放射線検査を行い、関東のあちこちにホットスポットがあることが分かった。 
 
 福島県が行っている甲状腺検査では子どもたちの多くにのう胞が見つかり、そのうち3人に甲状腺ガン、7人にその疑いがあるとされている。県は原発事故との関連を否定しているそうだが、市民としてはその関連を疑わずにはいられない。 
 
 さらに母親たちを不安にさせたのは取手市の小中学校の心電図検査の結果だ。小学1年、中学1年と入学時に行う心電図検査で、精密検査を必要とする児童・生徒数が09年に0.53%であったのに対し12年には1.45%と約3倍に増えているのだ。 
 
 このデータについて小児科専門医は「症例数が少ないので本当に増えているか偶然なのか正確な判定はできない」としながらも、「判定ができないからと言って『放射線の影響はない』と断定するのは早計、この増加傾向が本格的な患者増加傾向の前触れかもしれない。予防医学の見地に立てば、5年後10年後を予測し早急な対策を立てることが求められる」と述べている。 
 
 チェルノブイリでは「チェルノブイリハート」とよばれる心臓疾患が事故後多く指摘されている。昨年3月に来日したベラルーシのユーリー・バンダジェフスキー博士は甲状腺にはヨウ素だけでなくセシウム137も蓄積する、子どもは特に甲状腺への蓄積が多い。セシウム137は甲状腺のほか心臓、脳、肝臓、腎臓などの臓器に蓄積される。特に心臓細胞はほとんど分裂しないためセシウム137が過剰に蓄積しやすいという。 
 
 ベラルーシでは若い人の死亡が増え、98年に死亡率が出生率を超えた。若い人の死亡原因の1つが突然死で、心筋に蓄積されたセシウムが心臓を激しく攻撃するために心拍が乱れ死につながる。「突然死した人を解剖して見るとセシウムの存在がはっきりわかる」とバンダジェフスキー博士は指摘する。 
 
 市民グループはそれぞれ自治体に「原発事故子ども被災者支援法」に関する請願を提出するなど、自治体への対応を求めてきた。これを受けて千葉県では2月末、9市が合同で支援法の指定地域とするよう求める緊急要望書を復興庁に提出した。 
 放射能からこどもを守ろう関東ネットHP http://www.kodomokanto.net/ 


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