2013年03月28日12時11分掲載  無料記事
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遺伝子組み換え/ゲノム編集

GMスギ花粉症“治療米” 2020年に商品化?  新たな”薬害”の心配はないのか

 3月26日の朝日新聞は、農業生物資源研究所が開発を続けている遺伝子組み換えのスギ花粉症“治療米”について、2020年の商業化を目指す、と報じた。同時に、日本製紙小松島工場に設置された閉鎖温室で栽培されているGMイネの写真も掲載した。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 記事は、「コメは日本人が長く習慣として食べてきた。商品化できれば、病院に行ったり、薬を服用したりする必要がなくなるかもしれない」との開発担当の期待を込めた発言を紹介している。 
 
 しかし、当初より指摘されたように、こうした特定のアレルギー 
因子を含んだコメが市場に出ることで、一般の食品ルートに流出すれば、治療どころか新たな“薬害”、健康被害を生みかねない危険性がある。 
 
 このGMスギ花粉症“治療米”は、開発当初はトクホ(特定保健用食品)の適用を目論んで「スギ花粉症緩和米」と呼ばれていた。その後、厚労省がトクホを認めなかったため、医薬品として開発することとなったもの。 
 
  開発を担当している農業生物資源研究所は2013年度、つく 
ば市にある研究所内の隔離圃場約8アールで、このGMスギ花粉症“治療米”栽培する計画を公表している。収穫されたGM米は、医薬品としての加工プロセスや治験(動物実験)に使用するとしている。治験の詳細は明らかになっていない。 
 
・農業生物資源研究所 2013年3月22日 
栽培実験計画書:スギ花粉症治療イネの栽培 
http://www.nias.affrc.go.jp/press/20130322/plan_1.pdf 
 
 日本製紙小松島工場の閉鎖温室は、2006年の日本製紙の発表では、年3期作により年間700キロの生産が可能とされた。 


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