2013年04月18日11時49分掲載  無料記事
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欧州

【仏メディアの旅】「日本は原発を再稼動させるのか」 仏からMOX燃料輸送開始  飛田正夫

 フランスの4月16日のフランス国営放送テレビA2では報道されなかったが、仏国営ラジオ・フランス・アンフォは「プルトニュウムとウラニュウムとを含む危険なMOX燃料がシェルブール港から日本に運ばれる」と短く伝えた。同日の左派系の週刊誌ヌーベル・オブセルバトワールfr.によると、まもなくベアモント・アーグ(Beaumont-Hague)のアレバの工場から放射能の強いMOX燃料が警察の厳重な警戒の中を日本の高浜原発基地に向けて運ばれる。MOX燃料の輸送は2011年に予定されていたが3月の福島原発事故で延期されていた。 
 
 日本へのMOX燃料輸送は1999年以来5度目になる。「日本の原発基地を再稼動させるのか」とMOX燃料の運送中止を要求する環境保護団体のグリーンピースや欧州エコロジスト・緑の党などから強く上がっていた。反対派のメンバーでは日本が北朝鮮の脅威下にあり東京に対抗ミサイルが配置されている危険な状況を強調して指摘している。 
 
 グリーンピースによると10トンのMOX燃料が運ばれるがそこには650キロから800キロのプルトニュウムが含まれており世界最大の放射能汚染物が23時ごろにシェルブール港を出るという。輸送を担当する側のフランス通信(AFP)への報告でもほぼ同じ時刻が通知されている。 
 
 シェルブール港までは毛虫と呼ばれるタイヤの幾つもある当別輸送トラックで長時間を欠けて運ばれる。船への荷積みは16日の夜中になされ出航は17日の昼中になると見られている。日本までは65日がかかる予定だ。 
 
 グリーンピースによると各輸送船には30ミリの大砲が備えられていて30人の英国の特殊軍隊が安全にあたっている。アレバの要請で地上では300メートル、海上では500メートルの接近には75000ユーロ(約750万円)の罰金が課せられるという。 
 
 
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