2013年05月02日11時57分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】「川内博史探検隊」ビデオを見て (連載の1) 東電のやり方・「隠ぺい勝ち」が少し破られてきた  山崎久隆(たんぽぽ舎)

 「地震で損壊、否定できず 川内博史氏が見た福島第一1号機」の記事に登場する東電フクイチ内部ビデオを見ました。それに基づくコメントです。なお、フクイチ1号機内部ビデオは少なくても3本あります。最初は東電撮影の2011年10月映像、二つ目は川内博史氏が最初に入った時のビデオ、そして三本目がたんぽぽ舎でも川内氏本人が話されたご本人撮影の鮮明なビデオです。 
 
 実は三つもあってまともに状況が分かるのは最後だけ。最初のものは映像がぶれすぎて何を撮っているかよく見えないもの。二本目は川内氏に同行した東電職員が取ったものですが「ビニールテープにくっついていてシャッターが開いていなかった」という信じがたい理由で映像が「真っ暗」、三本目がインターネットにも公開されている「まともな」ビデオです。 
 
 インターネット動画サイトの解説で川内氏本人が話していることですが、東電は本当に「真っ黒」が大好き。これまで情報の公開を請求して「真っ黒」(白抜きのもありますが隠されたという意味では同じことです)を公開したケースは様々ありました。 
 最近の傾向では真っ黒を出しておいて、世論の批判が高まると国が東電に「提出せよ」と要求すると渋々小出しに公表する。そう、東電のテレビ会議動画がまさしくそれですが、こういう態度に出ます。例えば「10」件の資料を真っ黒で出しても「3」しか批判されなければ結局「7」は「隠ぺい勝ち」、残りの「3」のうち「1」しか国が文句を言わなければ結局「9」が「隠ぺい勝ち」。 
 
 それが東電のやりかたであり、東電体質といのはこういうことを含めて言います。まともな報道機関ならばみんな経験していることですが、東電という看板は、これまでの「隠ぺい勝ち」がまかり通るような威力を持っていました。 
 
 しかし福島原発事故以来、遅まきながら「おかしいんじゃないか」と、マスコミの一部がようやくまともな報道機関になってきて、最近では「隠ぺい勝ち」となるケースが減ったということです。しかし依然として全面公開されていないテレビ会議、あるいは費用見積もりや契約となると一切明らかにしない態度、肝心のデータは存在しないと言い張り、どうあっても明らかにしないなど。どうしても明らかにしたくない場合はデータそのものが「存在しない」ことにしてしまいます。あるいはそれを見越して、危うそうなデータは始めから取得しないなどというとんでもないことさえやらかします。 
 
 さて、公表された川内ビデオで特に気になった点を書きます。 
                        (次号へ) 


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