2013年05月02日14時27分掲載  無料記事
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米国

アメリカの狂気(凶器) 子供が関与する二つの対照的事件

  アメリカ人の銃保持の問題は、つとによく知られているし、現大統領は、銃統制を強めようとしている。昨年末の小学校での多数児童、教師の殺戮が、市民からの銃統制の声を強めたが、結局、僅かな統制の法規も、共和党の反対で実現せずに終わった。これは、アメリカ全体を覆う武器製造業(軍需産業)の圧力が、しからしめているのだが、大方は、憲法2条追加条項が、市民に銃を持つ権利を保障している(これは解釈にすぎない)という根拠に基づいていると思っている。(バンクーバー・落合栄一郎) 
 
 もう一つ、先のボストンマラソンでの爆発事件が、アメリカ国内の不穏分子の取り締まり強化を促進している。そこで、ここ数日の内に起った対照的な子供の関与する事件を二つ。これは、アメリカの狂気(凶器)の象徴的事件である。 
 
 オハイオ州で、5才の子供が、小さな銃(本物)を誕生日の贈り物としてもらった(こんなものを誕生日にやるというがそもそも狂気じみている)。そして、この5才の子が、故意にか、間違ってか、2才の自分の妹に銃を向けて、殺してしまった。家族は、銃に弾が込められていたとは知らなかったと弁解している。この銃は、製造業社が、「My First Rifle」という名で、売り出していて、こども向けをねらっているようである。子供が銃で、射殺する事件はアメリカでは頻繁に起っており、4月には3件あった。 
 
 フロリダ州のある高校の優秀な生徒(16才)が、学校の校庭で、小さな水のボトルに、家庭内にある化学薬品を入れて、どうなるか実験したのだそうである。キャップがとび、ちょっと煙りも出たそうだが、もちろん器物損傷、ましてや人間に何らの影響もない程度のものだった。ところが、警察は、「学校校内で武器を保持し、それを使用した」としてこの生徒を逮捕した。校長を初め、教師も生徒も、この生徒の弁護につとめたが、この学校の属する学校区は、この生徒を放校する決定をしたとのことである。 


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