2013年05月30日00時29分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】東海村で被曝事故  環境中に放出された放射能は   山崎久隆 

 なぜ、核分裂反応を行っている施設ではないところから大量放射能放出事故を起こしたのか。第一報からして分からないことだらけだった。放出された核種や量も未だに正確には分かっていないという。 
 
 東海村にある加速器実験施設「J−PARC」1500億円かけて2009年に作られた。原子力研究開発機構(原研機構)の施設である。今回は加速器で陽子線を金に当てる実験を行っていたという。中間子などを取り出そうとしていたようだ。 
 
 しかし大量の陽子線を発生させたため、警報が発報した。事故が起きたのは5月23日11時55分、しかし作業員は警報をリセットして実験を続けていた。金に陽子をぶつけると原子核が破砕され、または金の原子核に陽子が吸収されて放射性物質が発生する。ところが金が短時間に大量のエネルギーを受けて蒸発していた。400倍のエネルギーが照射されたという。これはニュートリノをカミオカンデに発射するモードで加速器を作動させたからであろう。 
 
 作業員は全く想像していない事態だったため、警報をリセットして運転を4時間も継続していた。外部への放射能放出はこのころ施設内の放射線量が高くなったためファンを回した結果、起きた。このファンにはフィルターも付いていなかった。 
 
 排気したことで放射線量が下がり、作業を継続、しかし敷地の外でモニタリングポストの指示値が増大したためにようやく放射能漏れと分かったという。 
 
 最大1.7ミリシーベルトの被曝が2名、ではどのような放射性物質かどれだけ出たのだろう。 
 1000億ベクレルの放射能が南西方向に放出されたと想定されている。素粒子実験施設での放射能放出としては、大規模放出といっていい。金を照射した結果として、ナトリウム24、カリウム43、金195、金198、水銀197などが生じたという。 
 
 原研機構の体質に問題があるのだろう。「もんじゅ」を始め、さまざまな問題を引き起こしてきた。このような事態を引き起こした以上、組織のあり方も含めて全体を見直すべきだ。 


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