2013年06月12日11時57分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】西サハラ難民政府の USとUN ロビー活動 平田伊都子

 2013年6月5日から西サハラ難民政府はアブデルアジス大統領を先頭に、アメリカ本土へ乗り込みました。 同行するのはブハリ国連西サハラ代表、ハダド国連西サハラ住民投票監視団西サハラ代表、そして2011年に来日したベイサット・ワシントン西サハラ代表などなどです。 ワシントンとニューヨークで、アメリカ合衆国と国連を相手にロビー活動を展開させようとしています。 が、難民政府の成果は?? 
 
(1)2013年6月5日、アブデルアジズ西サハラ大統領一行がアルジェリアにある西サハラ難民キャンプから約5,000km離れたワシントンに到着した。同日、ベテイ・マッコラムDFL米国下院議員などの議会関係者に会う。DFL とは、ミネソタ州民主農業組合党の略で、上院議員2人と下院議員5人を擁する、民主党系独立党である。 
 
(2)6月9日と10日、留守を預かるアルジェリアの西サハラ難民キャンプでは、西サハラ独立運動組織ポリサリオ戦線を1973年に立ち上げた、エル・ワリ初代ポリサリオ戦線書記長の追悼祭が行われた。エル・ワリは1975年に難民キャンプを作り、1976年にRASDサハラ・アラブ民主共和国を創り、同年6月9日にモーリタニア戦場で蜂の巣にされ、砂漠に散った。享年28才、2メートル近い長身の美青年エル・ワリは、今も西サハラ難民の心の中に生きている。 
 
(3)6月10日、アブデルアジズ西サハラ難民政府大統領一行はニューヨークの国連本部で、パン・ギムン国連事務総長と会談した。マーク L・グラント国連安保理6月担当議長やクリストファー・ロス西サハラ国連事務総長特使などが同席した。西サハラ大統領は、「22年前に国連が約束した国連西サハラ住民投票を一刻も早く実現してほしい。西サハラ民族自決権は国連憲章で保証されている」と住民投票実施を催促した。さらに、「モロッコ占領地での西サハラ住民に対するモロッコ占領当局による迫害を止めて欲しい」と、訴えた。「承りました」と、事務総長は答えたそうだ。 
 
(4)6月10日から国連脱植民地化委員会・第四委員会が2週間の予定で始まった。西サハラは1964年以来、脱植民地化を目指す地域と指定され、毎年、議題に上っている。国連は東チモールなどに対して国連住民投票を施行し、独立させた。しかし、西サハラに対しては、未だに具体的に動いていない。現在、世界で16地域を、国連は非自治地域と指定しているが、脱植民地化を促しているのは西サハラだけだ。 
 
 西サハラ難民政府のアメリカと国連に対するロビー活動は成功したのでしょうか? 
 我慢強く訴え続ける西サハラ難民の努力が、一日も早く報われることを願ってやみません。が、何か他に手段はないのでしょうか? この調子だと、またズルズルと進展のない一年が経ってしまいそうです。 名案があったら教えてください。 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 
 所長:川名敏之 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション) 
 代表:平田伊都子 


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