2013年06月19日14時26分掲載  無料記事
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米国

シリア内戦介入正当化のウソ イラクの「大量破壊兵器保持」と同じ

  数日前、オバマ大統領は,シリアが化学兵器を使用し、100〜150人の反対派兵士を殺害した証拠を見つけたと発表した。オバマは,既に、こうした大量破壊兵器の使用が行われれば、アメリカが反対派支援に介入し、シリア・アサド政権転覆に介入するぞと脅かし続けていた。アサドはそれを承知しながら、僅か100人程度の反対派を殺害して、アメリカ介入を誘導するようなバカなことをするはずがないし、アメリカ以外、ロシア,中国はもちろん完全に信じないし、NATO諸国も半信半疑のようである。(落合栄一郎) 
 
 このウソによる侵攻の正当化は、ブッシュが用いた「イラクが核兵器を作っている」(ウソのでっち上げであることはいまでは明白)という正当化と完全に同じものである。アメリカ国民の65%ほどはアメリカがシリア紛争に介入することに反対しているという事情も、イラク侵攻時と似ている。 
 
 アメリカやNATO諸国は、サダムフセイン(イラク)についで、カダフィ(リビア)と、アメリカ(とその同盟国)にとって目の上のたん瘤的政権を倒して、自分達に都合のよい政権を打ち立てることをやってきた。さらに遡れば、そうした例は、多数ある(落合栄一郎「病む現代文明を超えて持続可能な文明へ」参照)。今、これを口実にシリアにアメリカが介入したら、中東を中心に大きな戦争、第3次世界大戦に発展しかねない。そして悪くすれは、核兵器の使用に発展し、人類を破壊しかねない。 


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