2013年07月09日17時50分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】ラマダーンが来た、難民キャンプにも  平田伊都子

  2013年7月9日、今年も来ました、ラマダーン・断食月が、。 クーデターが勃発し軍とデモ隊が衝突しているエジプトにも、反政府デモがくすぶるトルコにも、イスラム過激派のテロが絶えないインドにも、灼熱の西サハラにも、、何があろうと猶予を与えずラマダーンに入ります。 
 世界中のイスラム教徒が全員で参加しなければならない苦行、それが約一月の断食です。 一か月間、何も食べない飲まないというわけではありません。 そんなことをしたら、イスラム教徒は絶滅します。 「日の出から日没まで一切の飲食を絶ちセックスもやるな」との、イスラム教典コーランの教えです。 厳格な信者は唾をのむことも控えるそうです。 タバコも駄目です。 
 
(1)2013年7月1日、ラマダーンに先駆けて、モロッコ占領地・西サハラの首都ラユーンのモロッコ監獄で、4人の西サハラ人政治囚がハンガーストライキに突入した。 <西サハラの独立と民族自決権>を謳った5月の平和デモに参加したという理由で、モロッコ治安部隊に拘束されたままだ。 マフムド・ハヌン、アジュワド・ファラ、シディ・ムハマド、アシュラ・アルマイルの4人は<劣悪な収監状況反対と正当な裁判の施行>を訴え、無期限のハンストを続けている。 
 
(2)7月6日、西サハラ難民キャンプの子供たち約20人がスペインのムルシア市に暖かく迎え入れられた。 スペイン南東にある人口42万人の町で、二か月にわたり子供たちはホームステイをする。 この<平和の夏休み>イベントはスペイン全土の町で行われ、4589人の子供たちと210人の付き添い難民が参加する。 ムルシア市議会議長のフランシスコ・セルドランは、「国際法上では、西サハラは今もスペイン植民地のままだ。西サハラ問題解決に関して、スペインは責任を取っていない」と、発言した。           子供たちにラマダーンの行は課されていない。 付き添いの難民たちには、<旅行中だから断食をしなくても良い>という免除がある。 が、敬虔深いイスラム教徒はラマダーン後に断食の埋め合わせをするそうだ。 
 
(3)7月8日、ラマダーン前夜に、西サハラ難民政府大統領アブデルアジズは、イスラム諸国の全首脳に「ラマダーンおめでとう」の手紙を送った。 大統領は手紙の中で、「全知全能のアッラーの神に、全てのイスラム教徒が断食を捧げ、平和と繁栄を祈り、全てのイスラム人民が善行と善行に勤しむことを誓う」と、述べた。 しかし、イスラム諸国を代表するアラブ連盟は、西サハラを植民支配するモロッコ王国を支持している。 かって西サハラ難民政府RASDサハラ・アラブ民主共和国を承認していたリビアやシリアも内戦状態で、西サハラ支援の余裕などない。 
 
 「なぜ、長い断食をするのでしょうか?」と、日本でアラビア語を教えている先生に問いただしました。 先生は、「1、自分自身を空腹に追い込み、腹を減らした貧しい人のことを思いやる、2、全世界のイスラム教徒が同時に<空腹の行>をやることで、イスラム教徒間の連帯が強まる、3、長時間の絶食は消化器官に休息を与え健康になり、しかも痩せる。君もイスラム教徒になって痩せ美人になりなさい」と、答えがかえってきました。 1と2の答えはともかく、3に関しては、疑問です。 筆者の知る断食行者は、日没になると待ってましたとばかり食べ始め、夜明け前までなんだかんだと食べ続け、夜明け前後にひと眠りし、日中は空腹を紛らせるために昼寝をしたり映画を見たり、、不健康にラマダンを過ごしています。 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2013.07.09 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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