2013年08月21日15時31分掲載  無料記事
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コラム

健康法・全裸で日光浴      鬼塚 忠

   出版の仕事をしていると世の中の動向が気になる。何が売れているかではなく、人は何に興味があるか、だ。それが、売れる本を考える上で重要な、アイデアの源泉となる。基本的に人間の興味のあることは、お金もうけ、恋愛、健康、勉強が主なのだが、最近、健康に人はより興味を持つようになった。団塊の世代のほとんどが、現役を終え、あとは老後の生活に入るからだろう。 
 
  ある医者からお話を聴いた。 
 
  「鬼塚さんねぇ、医療関係者は誰でも知っているけど、誰も言わない体に一番いい健康法って何か知っていますか?」と。 
 「そんな話はないでしょう。だって知っているのなら言うでしょ」と。「それがあるんです、鬼塚さん。言っても変だと思われるし、出来ないし」 
 
  それは、裸で太陽の光を浴びることだったんです。 
 
  「外国人ってリゾートで真っ裸になるでしょ。あれは見せたいからするのではないです。健康だって知っているから裸になっているんです。人間はもともと体全体で太陽の光を浴びる動物だったんです。それが現代になって浴びなくなった。それがそもそも現代病の原因なんです」 
 
   なるほどと思った。たしかに私がイスラエルに住んでいる頃、大人たちは海岸で素っ裸になっていた。ドイツでも然り。 
  疑問に思ったときはすぐさま実験する。私は近くの露天風呂のある温泉に行き、すっぱだかになり一時間みっちりと太陽の陽を浴びた。途中であまりにも暑くなったので、顔をタオルで覆い、体だけを露出した。ちょっとした変態気分。しかしこちらに裸で陽を浴びる理由がある。 
 
  なんとなく体も焼けた。するとたしかにパソコンをしたときの肩こりはなくなり、体は軽くなり、目の疲れはとれたように思えた。実感があるような気分になった。 
 
  そこでこんな記事を見つけた。 
http://www.cnn.co.jp/fringe/35035419.html 
  アメリカCNNの記事で、「全裸で日光浴が最も好きな国民は?」というタイトルだ。 
  日本人は、やはり人前で裸というのは抵抗があるようだ。しかし日本人にはもともと銭湯という文化があった。明治の頃までは銭湯の風呂に男女の区別はなかった。なのになぜ今ではこうなったのだろう。 
 
   今さらながら、裸で日光浴というのは、健康だけではなく、モラルや羞恥心の問題もあるということを改めて知った。 
 
鬼塚忠  (作家・出版エージェント) 
「アップルシード・エージェンシー」代表 
http://www.appleseed.co.jp/ 


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