2013年09月12日13時17分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】東海村山田新村長は村上後継か?  緊迫増す東海第二原発の再稼働問題   植田泰史 (茨城の環境と人を考える会議)

 2013年9月8日、任期満了にともなう東海村村長選挙が行われ、「中立」を唱える前東海村副村長山田修氏(52歳)が当選した。山田氏は、茨城県地域計画課補佐から東海村に派遣され、副村長を務めていた。今回の東海村長選挙の争点は、全国ただ一人原発立地自治体の脱原発首長村上達也氏の去就と真の後継者は誰か、という点であった。 
 
 山田陣営には、自民党梶山弘志陣営、日立製作所(労組を含む)・民主党の大畠彰宏陣営の活動家が張り付き、選挙モードになってからは、村上派村議さえ近づけないような状況が生まれた。 
 村上達也氏周辺は「山田氏は人柄が信頼できる。再稼働という馬鹿なことはしない」という立場をとり、一時無風選挙ないし無投票も懸念された。 
 
 山田氏周辺が村商工会長など原発再稼働派で固められたのを見て、村上再選でよしとしていた日本共産党が「山田氏は再稼働派に取り込まれた」として、北茨城市議の福田明氏(58歳)を、急遽立候補させた。福田陣営は、ほとんど選挙運動の時間を持たなかった。 
 東海村内有識者は「福田氏が3千〜4千票取れば、脱原発派は一定の影響力を持つ」「低投票率であれば、福田勝利もある」と述べていた。しかし、事前投票の推移から、投票率50%程度が予想され、山田当選は確実視されていた。 
 有権者は29,790人で、実際の投票率は51.38%、山田修(当選)氏11、758票、福田明氏(次点)3、238票である。 
 
 山田陣営の動きの悪さにしびれを切らした村上達也氏が、自派の村議5人(脱原発派)を選挙終盤に呼んで、山田支持で動くよう幾度か指示したとも言われ、この動きが無ければ当選は危うかった。 
 茨城県北の「盤石の集票マシン」といわれる「梶山事務所」、「日立製作所労組」の両者が、機能を十分果たしたとは言い難い結果である。 
 
 2009年東海村長選では、有権者28,935人、投票率67%、村上達也10,049票(当選)、次点の推進派9,281票であったから、山田氏支持陣営が非力であったことがわかる。 
 
 当選後の山田氏は、「中立」とのべるのが精いっぱいで、推進派の企図した「再稼働」は、今後の村政及び周辺自治体住民の大きな課題になった。 
 山田氏決起集会には「来ないでほしい」とよばれなかった村上達也氏が、当選当日、山田氏の脇に陣取った姿は印象的である。 
 
 自公民3党プラス村上派で11,700票だったが、村上氏を信頼した脱原発派の票も含まれているので、推進派の事前予想どおり、厳しい結果が出た。 
 
 福田陣営関係者は「山田陣営は意外にもろい」と感想を述べており、福田氏の人柄も好感され、共産党の基礎票の約2倍を集め、村政で発言力を強めると思われる。 
 また、村上村長の引退表明は、遅くも6月議会終了後にすべきで、今回(7月末)は遅すぎたと、村上支持で対立候補をたてられなかった脱原発派からの批判がある。 
 
 東海村は、2-15歳の子ども(5、932人)のうち希望者(988人)に甲状腺超音波検査を行ったが、今年度6月時点で、幼児(2−6歳)を中心に、要経過観察230人、要精密検査7人を出している。 
 これは小児甲状腺癌の問題を考える場合、驚くべき数字である。 
再稼働を強行すれば「村長リコール」、村内住民投票を行えば「東海二号炉廃炉」、という「想定外」の可能性もありうる 


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