2013年10月09日10時42分掲載  無料記事
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核・原子力

小泉元首相が「原発ゼロの方針を打ち出せ」と強調 池田龍夫

  朝日新聞デジタルなどの報道によると、小泉純一郎元首相は10月1日、名古屋市内で講演し「核のゴミ処分場のあてもないのに原発を推進する方が無責任だ。今こそ原発をゼロにする方針を政府・自民党が打ち出せば、世界に例のない循環型社会を約束できる」などと述べ、脱原発への政策転換を訴えた。 
 
▽フィンランドの核廃棄物処理場などを視察 
 小泉氏は講演の中で「原発はクリーンでコストも一番安いという専門家の意見を信じてきたが、東日本大震災が起きて、原子力を人類が制御できるか大きな疑問を抱いた。再生可能エネルギーの普及を進めるドイツやフィンランドにある核廃棄物処分場などを今年8月に視察したことが、循環型社会を目指す考えに変わった。フィンランドの設備が10万年持つか、これから厳しい審査がある。それでも同国にある原発4基のうち2基分の廃棄物しか処理できない。現地の人は、10万年後の人類に(廃棄物を)取り出してはいけないと言って分かってもらえるかまで心配している。原発から出るエネルギーは本当に安いのか、事故が起きれば人体や農作物、地域へのリスクは計り知れず、原発ほどコストのかかるものはないと多くの国民は理解している」とも述べている。 
 
▽安倍首相は「日本の原発技術は安全」繰り返す 
 これとは対照的に、安倍晋三首相は9月ニューヨーク証券取引所でのスピーチで次のように述べていたが、一人よがりの言動にびっくりした。 
「日本の原発技術は安全で、これからも世界に貢献していきます。放棄することはありません。福島の事故を乗り越えて、世界最高水準の安全性に貢献していく義務があると考えます。一方、福島沖で高さ200辰竜霏臧車で発電するプロジェクトにも挑みます」と語っていたが、汚染水海洋流出が拡大している現状からみて、まことに能天気な話ではないだろうか。 
 
▽「改めるに憚ることなかれ」 
 政策のミスや失敗があれば、「改めるに憚ることなかれ」である。この点で新旧両首相の姿勢を比較すると、小泉元首相の「脱原発発言」は潔く、好感が持てた。毎日新聞8月26日付朝刊3面コラム「風知草」で山田孝男記者と小泉氏とのやり取りが興味深かったので、その一部を紹介しておきたい。 
 
 「脱原発、行って納得、見て確信――。8月中旬、経団連首脳らが同行した小泉元首相のドイツ、フィンランド視察の感想はそれに尽きる。いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら納得できると思った。ますますその自信が深まったよ」と率直に語る。 
 
 フィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学とドイツ視察の旅。「オンカロは世界で唯一、着工された核廃棄物最終処分場だ2020年から一部で利用が始まるというが、核燃料廃棄は10万年単位の難作業を自分の目で確かめて反省しきりだった。 


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