2013年10月29日14時35分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】  こうして情報は偽造されていく、、  平田伊都子

 噂の種を蒔いて、偽情報をあたかも真実であるかのようにでっち上げるのは、スパイ機関の常套手段です。 こうした忌まわしいスパイ機関の嘘に欺かれて、社会は多くの冤罪を作り民族独立運動を潰してきました。 騙す方も騙される方も悪い、、知らないから騙されるのではないでしょうか? 今、この日本で、ポリサリオ西サハラ民族独立運動組織に、西サハラを占領するモロッコが汚名を着せようと躍起になっています。 モロッコ・スパイの偽造方法を一緒に学んでみませんか? 
 
(1)2013年10月23日、CORCAS (モロッコ王室サハラ諮問機関)が、「日本の法務省によるテロリスムに関する年次報告で、南アルジェリアのチンドウーフにあるポリサリオを、40以上あるアフリカのテロリスト組織の一つにした」と、発表した。 さらにモロッコの諮問機関は、「日本の法務省は56ページにわたり、AQIM北アフリカのアルカイダによる身代金目当ての人質事件を列挙し、AQIMはAQAP(アラビア半島のアルカイダ)やアルジェリアのポリサリオ戦線と繋がっている」と、結んでいる。 
 
(2)CORCAS(モロッコ王室サハラ諮問機関)の発表だけ聞くと、あたかも日本政府がポリサリオ西サハラ民族独立運動組織をテロ組織に指定したと勘違いしてしまう。 しかし、ちょっと考えても、<ポリサリオはテロリスト>という説は、モロッコのでっち上げだということが明白に分かる。 まず、モロッコの情報源は日本の法務省ではなく、公安調査庁だ。 公安調査庁は単なる情報提供組織で、勿論、政府の見解を出すなどという行為は、論外だ。 さらに付け加えるなら、日本政府に国際テロリストを指定する権限など与えられていない。 
 
(3)何を根拠に、モロッコはえせ情報を捏造したのか? モロッコは、公安調査局の年次発表の中に、小さな噂の種を見つけたのだ。「AQIM(北アフリカのアルカイダは)AQAP(アラビア半島のアルカイダ)、及び西サハラの<ポリサリオ戦線>とも連携しているとの指摘がある」というこの一節を、モロッコ・スパイ機関がつまみ出した。この短い文は、情報提供組織の一つである公安調査庁の膨大な<年次報告>の中の、、<国際テロリズム>の中の、、<世界のテロ組織等の概要・動向>の中の、、、7ページに及ぶ<イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ>の中の、隅っこに記述されている。この噂をネタにモロッコは、法務省や日本政府を登場させ、「日本の年次報告はポリサリオをアフリカのテロリストと位置づけた」という看板を捏造した。日本政府と国際社会の反論はいかに? 
 
 公安調査庁をネットで探索すると、「公安調査庁は、<破壊活動防止法>と<団体規制法>に基づいて、団体規制及び規制に関する調査を行うとともに、我が国の情報コミュニティの一員として、国際テロや北朝鮮情勢など国内外の情報の収集・分析に取り組んでいます」と、自らのホームページでその役割を説明しています。 同種の情報組織としては、内閣情報調査室や警視庁警備局公安部などなどがあります。 
 
 しかし、特別秘密保護法が通ったら、、私たち庶民が真実を求めて逆探知しても、こうしたほんの僅かな情報すら得られなくなるのではないでしょうか?、、 なんとしてでも、秘密保護法の制定を止めたいものです!! 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2013年10月29日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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