2013年11月28日00時00分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】大間原発の危険性  再稼働と大間原発はセットになって進めてくる

 津軽海峡をはさんで函館の対岸に建設中の大間原発は、初めてづくしの原発です。プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を世界で初めて全炉心に使用します。人間が作り出した猛毒物質プルトニウムは半減期が2万4千年です。長崎原発の材料です。大間原発ではそのプルトニウムを1年間に6.5トン使います。実験室で扱う危険な物質をトン単位で扱うのです。大間原発をつくる電源開発(株)はこれまで原発を作ったことがありません。世界でも経験のないフルMOXという技術を、原発を作ったことも、動かしたこともない電源開発がつくるのです。大変危険です。(野村保子) 
 
 大間原発は火山帯に接する大変危険な場所に建てられます。原発の立地指針では火山の危険についてはこれまで取り上げられていません。大間原発裁判で初めて焦点となっています。また敷地内に人の住む未買収地があります。大間原発反対を貫き、海と土地があれば生きていけると土地を売らないで亡くなられた熊谷あさ子さんのログハウスは今も健在です。 
 
 原発は冷却のために1秒間に91トンの海水をくみ上げ、7度温度を上げて化学薬品混じりの温廃水として津軽海峡にもどします。海水温に敏感な大間のマグロ、函館のイカなど豊富な魚貝類、海藻類は生育出来なくなるでしょう。また添加された化学薬品は海の生態系をこわします。 
 
 日本中に溜まり続ける使用済み核燃料は日本でも世界でも行き場がないのが現実です。六ヶ所再処理工場は20年を超える年月と3兆円に届く予算を使って、未だに試運転でつまずいています。まともに運転できず、使用済み核燃料から新たな燃料をつくりだす国の政策である「核燃料サイクル」はすでに破綻しています。 
 
 大間町に住む約6500人の住民、函館とその近郊に住む約37万人の人達は、今これ以上の電気を必要としていません。六ヶ所再処理工場で作られるプルトニウムは原爆の材料となる大変危険な物質で、その存在は世界から監視されています。事故続きの再処理工場からまともにできるかどうかも分からないプルトニウムのために、こんなに危険な大間原発を作るのは大きな間違いです。 
(大間原発訴訟の会) 


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