2013年12月11日19時21分掲載  無料記事
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米国

米財務省がGM株をすべて売却 政府支援が終了

  リーマンショックの翌年、2009年6月、経営危機に陥った米最大手の自動車会社GMは連邦破産法(いわゆるチャプター11)の適用を申請し、破綻した。GMは同年就任したばかりのオバマ大統領の支援策によって存続が決まったが、この時、GMの株式の60%を米政府が保有する形となった。その後、GMはリストラを行ったほか、経営を改善し、2012年には業績が回復に向かった。そして、今月、米財務省が保有する最後の株式を手放し、4年におよぶ支援策がピリオドを打つことになった。 
 
  ニューヨークタイムズによれば株式保有に投じられた税金は495億ドルで、そのうち、100億ドル(約1兆円)は売却損となった。 
 
  自動車雑誌などの報道によればデトロイト市内に本社を持つGMは破綻後、異業種から社長を迎え、生産体制を大幅に変えた。それまでは車種ごとに部品を作っていたのをやめ、部品を共通化するために車の構造も替えたと言う。また、その部品も世界各地から最も安価に入手できるようにしたとされる。またGMの再建策にかつては強硬に妥協を拒もうとしてきた全米自動車労組も協力した。 
 
  米三大自動車メーカーのうち、GMとクライスラーは2009年に連邦破産法の適用を申請してオバマ政権の支援策で再建に向うことになった。この結果、リストラは行われたものの、2大自動車メーカーの従業員だけでなく、部品製造会社などの関連企業の雇用が保たれ、あるレポートによれば120万人の雇用がつなぎとめられた。製造業を中心とした国内産業の維持と復活をオバマ大統領はかかげ、この結果、就任後上昇していた失業率が就任時とほぼ同じくらいまで回復した。これらが2012年11月のオバマ大統領再選の大きな勝因となった。 


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