2014年01月18日10時42分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】今になってもクロダイから、基準値124倍!!のセシウム検出 山崎久隆

 東電福島第一原発から40kmほどの地点にある福島県沿岸部で、原発敷地近海なみの極めて高いセシウムを持つクロダイが見つかった。食品基準であるキロあたり100ベクレルの実に124倍に当たる1万2400ベクレルの放射性セシウムが見つかったのだ。 
 
 NHKは検出した機関については「横浜市にある水産総合研究センターなど」としている。その団体のコメントは「事故当初、原発近くで高濃度汚染水の影響を受けたものが移動したとみられる」。 
 
 サンプルは去年10月と11月に福島県沿岸でクロダイ37匹を採取、このうちの1匹が1万2400ベクレル/kg、それ以外でも高いものがあり、最大で400ベクレルほどだったという。 原発専用港内以外の福島沿岸で1万ベクレルを超える魚が見つかったのは、事故後すぐの時期に取れたコウナゴと、2012年8月に取れたアイナメの2回だけ。 
 
 仮に事故当時の影響であるとしても、海洋中にあまたいるクロダイで人に採取されたことは重大。確率を考えれば、相当の高さで厳しい汚染が残っていることが想定されるから。 アイナメやクロダイなどいくつかの魚種は高濃度汚染をため込みやすい性質があるとして、広い範囲の生態系を調べる必要がある。 
 
 普段から、海の汚染は陸の汚染に比べても捕まえにくく、海産物の種類ごとに対策を変えなければならないだろうと指摘してきたとおりのことになっている。 
 グリーンピースなどの海産物測定調査は重要なのだが、残念ながら加工された一部の商品以外は測定限界以下であると分かった段階で、その魚は食べることは出来ない。生の魚を検査した後は、商品にも食用にもならない。そのうえ、同じ海域で捕れた魚であって、他の魚の値をサンプルで代表できない。 
 
 海の汚染が如何に深刻な事態をもたらすか、そのことを改めて示している 


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