2014年01月31日12時26分掲載  無料記事
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核・原子力

「脱原発・原発ゼロ」こそが都知事選の最重要争点―人類史的な課題に関わる選択 「100000年後の安全」を観て再確認した 山崎芳彦

 アップリンクの無料ネット配信により「100000年後の安全」を観て、改めて脱原発・原発ゼロへの大きな一歩を確実に、具体的に踏み出すことは、この原発列島が再び稼働することによって全人類的、地球的な破綻への道を進むという犯罪行為を食い止めるために、いまを生きる私たちの大きな責務であることを痛感した。多くの人々に「100000年後の安全」を観て欲しいと思い、友人知人に呼びかけている。アップリンクの無料ネット配信に敬意を表したい。都知事選挙の投票日まで無料配信が続けられることは、本当に意味深いことである。 
 
 いま、安倍政権と経済成長亡者の大企業・財界、その取り巻き勢力が東京都知事選挙の最重要争点からの「原発問題外し」に、卑劣、欺瞞的な宣伝・主張を展開し、総力を挙げ、彼らが押す候補者が都知事の椅子に座ることを目指していることは明らかだ。 
 この都知事選挙で、脱原発・原発ゼロを最大争点としてたたかい、敗北することは政権基盤が大きく揺り動かされ、掘り崩され、原発も含めた「逆流政治」に困難をもたらすことになることを強く認識しているからこそ、都民の意識を原発問題からそらすことに懸命なのだ。「アベノミクス」といい「経済成長」、そして「強い国」というとき、彼らにとって「脱原発・原発ゼロ」の道はあり得ない。だから、争点から外そうとするのだが、現状を見るとその目論見が功を奏しつつあるような雰囲気がかもし出されているように見えてならない。各種ジャーナリズムの加担も目に余る。 
 
 しかし、この流れを大きく転換させ、改めて「脱原発・原発ゼロ」を争点の中心に引き戻し、この都知事選の結果が東京はもとより全国的に、現在と未来の岐路になる大きな意味を持つことを、鮮明にすることが必要であると思う。率直に言って「脱原発・原発ゼロ」をこそ中心的な争点と据えてのたたかいにするという大きなうねりを作り出すことを困難にしたのは、なんといっても候補者を一本化することができなかったということであることは、否定できない。 
 
 だがいまは、そのことを悔やんでいる時ではない。福島第一原発の壊滅事故がもたらした災厄、これは人間、すべての生命、大地も海も現実に否定する本質を原子力放射能が持っている、原子力と人間は共生できないことが私たちの目の前で明らかにされているという経験、そして将来不可避的に原発事故が起こるであろうということを踏まえて考える時、目の前の都知事選挙において、「脱原発・原発ゼロ」を目指す運動を構築してきた人々、都民はもとより全国から、「脱原発・原発ゼロ」を明確に、最重要政策として掲げる候補者の勝利をかちとる声と行動を、出来る限りの方法で広げることが求められている。 
 
 「100000年後の安全」を観て啓発された小泉元首相がフィンランドのオンカロの核廃棄物最終処理場を視察して、首相時代の原発認識・政策の誤りに気付き、「原発ゼロ」をいまこの国の政策として決定することの重要性を積極的に提言、アピールしていること、そのために細川氏を推し連携して、都知事選挙に臨んでいる真意を、私は疑わない。 
 
 いま、「脱原発・原発ゼロ」への大きな一歩を進めるために、このことの是非を問う都知事選挙として、残念ながら1票を持たない私も、多くの人々とともに、できることに全力を尽くしたい。原発維持・推進勢力が原発問題を争点から隠そうとしているのは、それが彼らの最大の弱みだからだろう。この都知事選挙の結果が、現政権が進めている「逆流政治」の策動にとってきわめて重要であることを知っているから、原発問題が最大争点になること避けようとしている。それを許してはならない。 
 「人間宣言」として、「脱原発・原発ゼロ」社会の実現に向かう主権者の意志を、この都知事選挙で掲げよう。 
 
 「100000万年後の安全」を観ての感想である。 


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