2014年02月01日01時25分掲載  無料記事
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コラム

オヤジはニュースが好き ソンタク

  最近ある放送局で新たに抜擢された会長の発言が波紋を呼んでいる。そのせいでソンタクという言葉をしばしば耳にする。「職員たちは会長の意向をソンタクして・・・」などと巷では言っている。 
 
  しかし、ソンタクという言葉は難しい。恥ずかしながら、それまで一度も自分が使ったことがなかった言葉だ。だから漢字のイメージがさっぱりわいてこない。 
 
  広辞苑を引いてみると、「忖度」と出てくる。意味は次のように書かれていた。 
 
  忖度 =  他人の心中をおしはかること。推察。 
 
  どうしてこれらの漢字にこんな意味があるのかよくわからない。そこで漢字の辞典を久々に書庫から引っ張り出すことにした。三省堂の全訳「漢辞海」。この辞書によると、「忖」には思案する、推しはかるという意味があるとされる。左側のリッシンベンが「心」の意味を示し、右の「寸(=はかる)」は読むときの音を示している。 
 
  また、「度」には長さを測る基準の意味があるという。動詞の「はかる」という意味もあるそうだ。推しはかる、推測する、また、問いたずねる、という意味まである。日本語の中で「度」なんて単なる脇役いや端役みたいな印象だったが、辞書を引くと立派な意味を持つ言葉だったのだ。知らなかったなぁ。 
 
  こうして見ると「忖度」という言葉は似た意味を持つ漢字を二つ組み合わせた言葉のようだ。<推しはかる>×<推しはかる>の掛け算。オヤジになっても漢字の勉強に終わりはなかった。やれやれ。外国語にかまけて国語がおろそかになっていたのだ。いや、ソンタクは本当に難しいよ。トホホ。 


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