2014年02月04日10時53分掲載  無料記事
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米国

1% 対 99% 〜国の崩れ方〜

  今朝のインターナショナル・ニューヨークタイムズの漫画。1%と99%と書かれた2つの分銅が天秤で重さが釣り合っており、天秤にはINCOME EQUALITY(所得の平等)と書かれている。この漫画はこれだけでどこの国とも書かれていないが、米国なのだろう。漫画の味わいは99%の分銅が巨大で、1%の分銅がとても小さいのに重さが釣り合っているところなのである。しかも99%の巨大分銅は天秤棒の端っこまで来ないと1%の分銅と釣り合わないのだ。 
 
  近代の欧米政治の基本を築いた社会契約論では国民が国を構成するのは個人の財産や生命身体の安全や自由を守るためだった。社会契約論の思想家トマス・ホッブズは本来的に自由な人々が契約を結び国を作ることによって各人の各人に対する争いを避けることができると考えたのである。しかし、貧富の格差があまりに開きすぎて、その差が次世代へ、さらにその次世代へ、と継続するようになると守るべき財産などなくなった貧困な99%の人々は国家を構成する動機が失われてくる地点にまで追い詰められかねない。そうなると社会契約を破棄して、各人の各人に対する戦争に戻ってしまう恐れがある。中流層を維持し、貧富の格差をなくすことは国の崩壊を防ぐことでもある。 
 
  一方、もし1%が圧倒的な武力と治安力で99%を制圧したらどうなるのか。それはもはや民主国家ではなかろう。このような事態の背景には経済のグローバル化があるのである。低賃金かつ大量の資源や労働力を海外に求め、世界中で安価な製品を売りさばく。もはや国内の雇用は二の次でも利益を膨らませられる・・・。 
 
  米国シカゴ在住だったコラムニストのマイク・ロイコは貧富の格差が上昇し始めたレーガン政権の時代に中性子爆弾をシカゴトリビューンのコラムで取り上げたことがあった。中性子爆弾は核爆弾の中でも、人だけ殺傷して建物はあまり壊さないようにデザインされた驚くべき兵器である。爆発後の残留放射能もできるだけ少なくなるように設計されている。つまり実戦配備を想定したいわゆる戦術核なのである。 
 
  ロイコは中性子爆弾は欧州に配備すると米政府は言っているが、本当は米国内のデモを制圧するためではないかと皮肉を書いていた。人々が死滅して、がらんどうになって残る建築群はゴーストタウンというものだ。中性子爆弾はNATO側の欧州人にも評判が悪かった。 


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