2014年02月19日23時41分掲載  無料記事
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地域

秩父郡市の孤立状態、徐々に解消 交通困難は続き、農業被害が徐々に明らかに

 ゲリラ豪雪は秩父郡市をまるごと孤立に追い込んだが、18日にようやく秩父鉄道が動き出し、19日現在不通は西武秩父線のみとなった。国道は299号、140号とも通行できるようになったが、両脇の厚い雪の帯で実質1車線となり終日渋滞。歩道は降り積り固くなった雪がそのまま残り歩行困難。車が行きかう車道を命がけで歩かなければならない。それでも街中は移動可能となったが、急峻な山と谷がおりなす奥秩父では、いまも孤立した集落がいくつも存在する。農業被害も大きく、主要部門である観光イチゴ園のハウスはほぼ全滅。今後回復できるかどうかもわからない状況だ。(大野和興) 
 
  雪で閉じ込められた地域の状況のあれこれを紹介する。 
 
<その1>自衛隊派遣騒動:秩父市長など地域の首長が要請した自衛隊派遣を上田埼玉県知事が握りつぶした事件はすでに本紙でも報道した。そのとき知事はなにをしていたのかが明らかになっている。埼玉県にまつわる知識を競う「第2回埼玉クイズ王決定戦」(同実行委員会主催)決勝戦が16日、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開かれ、県職員らで構成する「SKT48」が2位以下を大きく引き離し、初優勝を飾った。上田知事もこのクイズ大会に出席、県職員らの優勝に「出来過ぎじゃないかと心配しています」とかたったという。豪雪被害を知らぬげに支援者とてんぷらを食べていた安倍首相と好一対。 
 
<その2>イチゴハウス倒壊:秩父地域の農業は、わずかにある平地と急傾斜の山の農業の二つに分かれる。平地ではハウスのイチゴやキュウリ、ブドウなどの果樹が中心で、水田はわずか。イチゴは観光用で、おいしさでは定評があり、毎年12月ごろから5月ごろまでイチゴ狩りのお客さんを受け入れる。ビニールハウスやガラス温室で栽培されるイチゴ園が今回の豪雪で軒並み倒壊した。再建がおぼつかない農家が続出するのではないかと心配されている。 
 
<その3>人口6万余の秩父市で、現在営業を続けている八百屋さんは2軒のみ。その小さな八百屋さんのうちの一軒が、豪雪と陸の孤島化の中で17日から店をあけ、喜ばれている。仕入先を聞くと、小さな市営の青果市場。納入している生産者も小さな農家、高齢農家が主。一方でスーパーやコンビニの食料売り場物流が途絶えてほぼ空っぽ。行政から効率が悪いと切り捨てられてきた小さい農家、小さい八百屋が底力を発揮した。 
 
<その4>秩父市内にあるファミレス、ジョナサン。食材が底をつきそうになるなかで営業を続けていた。18日には時間を短縮、メニューも限定にしながらお客さんを受け入れ、19日になってやっと配送の荷が届いた。この日は3時間かけて朝、市内の医者に来たら、午後3時からだといわれたと、途方に暮れていた80歳代の女性が、空いているジョナサンを見つけて、ほっとして席についていたのが印象的だった。 
 
<その5>頑張る労働者:16日、積雪機Γ汽瓠璽肇襪呂△訝疉禹圓両高い山の上の集落の道を、腰のあたりまで雪に埋めながら東電の作業員が一人、黙々と歩いて通り過ぎた。この辺りは高圧線が走っており、その点検見回りの労働者。17日、市内はまだ幹線道路の除雪も進まず、雪で凍りついた道路を郵便の配達労働者がバイクで走る。命がけの労働。 


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