2014年03月06日01時14分掲載  無料記事
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中南米

チャベスの死から1年 インフレ率が高まるベネズエラ 商店の棚は?? マドゥーロ大統領のカリスマと能力の欠如を報じるドイツ誌

  マネードクター、スティーブ・ハンケ(Steve Hanke)教授が今注目しているハイパーインフレ予備軍にベネズエラがある。ベネズエラは推定年間インフレ率がハンケ教授らの試算では302%。つまり1年で物価が4倍になっているという。 
 
  一方、ハイパーインフレの場合は月間インフレ率が50%を超える場合。チャベスの死から1年。ハンケ教授はベネズエラがハイパーインフレになるにはまだ距離があるとしている。それでも過去のハイパーインフレの事例56ケースの中に中南米が7か国含まれており、ベネズエラが8番目に記録されるかどうかは今後次第だという。 
 
  ハンケ教授はジョンズホプキンス大学の経済学の教授であり、CATOインスティテュートと共同で危機にある通貨の研究プロジェクトを立ち上げている。 
http://www.huffingtonpost.com/steve-h-hanke/is-venezuela-next_b_4899805.html 
 
  以下の産経の報道では米国メディアなどを、チャベス大統領の後を継いだマドゥーロ大統領の政権が警戒していることがうかがえる。シェールオイルが多量に埋蔵されていることがわかった米国にとって、これまで石油の貴重な供給先だったベネズエラとの関係が変化する可能性もある。チャベス大統領は豊富な石油資源を原資に中南米の反米連合を資金的にサポートしてきたが、チャベス大統領の死から1年、そこに変化が生まれているのだろうか。 
 
■米CNNの取材許可を剥奪 ベネズエラ、死者8人に 
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140222/amr14022210110004-n1.htm 
■米大使館員3人を追放 ベネズエラ大統領 
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140217/amr14021719110005-n1.htm 
 
■ドイツ誌Spiegelが2月末のベネズエラのインフレの現状を報じる 
 
  産経ばかりでなく、ドイツのSpiegelもマドゥーロ大統領の経済運営がうまくいっていないことを指摘している。首都カラカスの反政府デモを報じているのだが、最初はコロンビアとの国境に近い町で反政府デモが起き、すぐに全国に波及したという。学生たちが叫んでいるのはインフレ、モノ不足、そして政府の腐敗だという。 
 
  マドゥーロ大統領は就任当初、分裂した国を再び結びつけるかもと期待されたがその期待は裏切られたという。インフレに対しては価格統制令を出したそうだ。ジンバブエの2008年のハイパーインフレの時もそうだったが、政府が価格統制令を出すと商品が闇市場に流れるため、多くの小売店の棚から商品がなくなってしまう。ベネズエラの多くの小売店でも生活必需品であるミルクやコーンの粉、トイレットペーパーなどが姿を消していると報じられている。マドゥーロ大統領はキューバに国家運営の教えを乞うているという。 
http://www.spiegel.de/international/world/venezuela-president-maduro-faces-economic-distress-and-protests-a-955820.html 


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