2014年03月08日20時07分掲載  無料記事
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時を超えてさまざまな人の手で植え継がれ、伝え継がれた「李さんの綿」を追ったドキュメンタリー

 新作映画「李さんの綿」(43分)のご紹介をさせていただきます。この映画の主人公は、奈良県天理市立夜間中学校の生徒、李福順(イポクスンさん、2010年逝去、享年90歳)です。李さんは、1944年に25歳で渡日し、戦後は失業対策事業(肉体労働)に従事し、5人の子どもを育てました。(湯本雅典) 
 
 李さんは、小さいころは家業の農家を手伝うために学校には行けず、6歳からわたの糸紡ぎを覚え、20歳になるころには相当のはた織りの技術を身につけました。 
 
 李さんは、戦後朝鮮半島に里帰りした際に綿の種を日本に持ち帰り、日本の自宅で綿を育てていました。その種を夜間中学の教員が譲り受け、夜間中学の畑でも植えられました。李さんの綿は、李さんが亡くなった今でも夜間中学校生徒の手で植え続けられ、毎年実を結んでいます。 
 
 李さんの綿の種を人づてに手に入れ育てた東京の踊由紀子(おどりゆきこさん、76歳、アマチュア画家)は、油絵「何度目かの被曝」にその綿を描きこみました。そして、「何度目かの被曝」は、福島県内で展示されることになるのです。 
 
 この映画は、時を超えてさまざまな人の手で植え継がれ、伝え継がれた「李さんの綿」を追ったドキュメンタリーです。 
 
*ドキュメンタリー映画「李(イ)さんの綿」 
・製作 ナレーター: 湯本雅典 
・協力:奈良県天理市立北中学校夜間学級、 
福島県教育会館、福島県教職員組合他 
・43分/16:9/NTSC/DVD-VIDEO 
・価格:2000円(税込) 
・製作:2014年3月 
 
*DVDご希望の方は、 
 以下の申込フォームからお申込みください。 
  http://7colors.org/yumoto/ 
*予告編 
http://www.youtube.com/watch?v=ceLynf9z53E&feature=youtu.be 


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