2014年05月13日14時11分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201405131411072

みる・よむ・きく

ニコル・ぺシュキン作 コラージュ写真展 「デモをする人々」(Gens en marche)

  パリで活動しているアーチストのニコル・ぺシュキンさんが14区にあるギャラリーL'entrepotでコラージュ写真展を開催している。ぺシュキンさんの特徴はデモをしている人々を対象にしていることだ。 
 
  ぺシュキンさんはただ写真を展示するのではなく、写した写真をコラージュして1枚にまとめる。その過程で、運動の中の情動を露わにし、それをまとめあげる。 
 
  こうして作品化することで、そのデモは作品として定着し、多くの人にとって共有の財産となる。しかし、ぺシュキンさんによると、政治的な傾向があるということで展示できるギャラリーを見つけるのは簡単ではないということだ。しかし、政治とは何だろうか、ぺシュキンはかつてこんなことを語ってくれた。 
 
 「政治と芸術、大きなテーマです。私はただいくつか述べるにとどめたいと思います。私は「政治」という言葉を聞くと、語源となっているギリシアのある言葉を想起します。それは<町が抱えている心配事>あるいは<社会が抱えている心配事>という意味合いです。つまり、ある政党の単純な政治的傾向のことではありません。 
 
  もし政治がそのようなものに矮小化されたなら〜つまり政党の政治的スローガンにですが〜そこでは芸術を創造することはできず、ただプロパガンダを作るだけになってしまいます。 
 
  しかし、政治とは他者の抱えている心配事についての事柄なのです。そこには大いなるテーマがあります。人間の尊厳を守る戦い、権利を守る戦い、正義を求める戦いです。写真という芸術もまたそこで力を発揮することができます。」 
 
  5月14日〜7月4日まで。 
http://www.lentrepot.fr/Gens-en-marche.html 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。