2014年05月25日23時44分掲載  無料記事
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アジア

中国軍機が自衛隊機に急接近 中ロ合同軍事演習 一つ間違えると9条のまま戦争に突入

  朝日新聞によると24日、東シナ海の公海上を飛行していた自衛隊機2機に対し、中国軍機が数十メートルの距離まで急接近したと防衛省が発表した。場所は中国側が昨年11月23日に主張した防空識別圏と日本の防空識別圏とが重複しているエリアだという。昨年中国が提出したのは中国側に尖閣諸島を含めた線で、日本側は尖閣諸島を日本側に含めた線である。この中国側の防空識別圏の設定については日米で抗議している。小野寺防衛相が25日、この中国軍機の急接近を批判した。 
 
  フランスのルモンド紙の「日中の戦闘機が東シナ海で衝突寸前」と題された記事によると、接近があった24日、中国とロシアが海上で軍事演習を行っていた。中国国防相によると、この演習については日本側にも告知してあったとされる。その区域に自衛隊機2機が入ってきたとして、日本側を非難している模様だ。 
 
  中国国際ラジオによると、中国国防省はこう述べたとされる。「中露の海軍が東海の予定海空域で行った合同軍事演習は、中露両国が共同で実施する定例演習であり、また、国際慣例に基づき事前に様々な方法で関連海空域での航行禁止に関する通達を出している。空の安全保障のため、中国の東海防空識別圏の関連空域に侵入した外国の航空機に対して、中国軍機は必要となる識別および防衛措置を取る権利を有している。日本機が勝手に演習空域に侵入し危険な行動を取ったことは国際法および国際準則に大いに違反し、誤解を招きやすく、ひいては意外なことを引き起こしかねない。中国は日本に緊急交渉を求め、中露海軍の合法的権利を尊重し、関係者を厳しく管理し、あらゆる偵察や干渉を停止し、さもなければそれによるすべての責任を負うべきである」 
 
  自衛隊機2機は中ロの演習中に、その海域に入っていったことは確かのようだ。そこに中国軍機が急接近してきた。中国側によると、演習については事前通告はしていたとされる。 
 
  「同省(日本の防衛省)によると、同日午前11時ごろ、東シナ海中部の日中中間線の周辺海域(公海)上空を飛行していた海自のOP3C画像情報収集機に、中国のSU27戦闘機2機が約50メートルまで接近。約1時間後には、近くの海域を飛行していた空自のYS11EB電子測定機に、中国軍SU27戦闘機2機が約30メートルまで接近した。いずれも異常接近は短時間だったという。」(毎日) 
 
  この中国軍とロシア軍による演習については産経が記事を書いている。 
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140430/chn14043020490004-n1.htm 
  「中国の政府系シンクタンク、国際問題研究所の郭憲剛副所長は中国メディアに「中露は軍事同盟を結んでいないが、第二次大戦の成果を守る目標で一致している」と強調。中国当局は、尖閣諸島の「領有権」について「第二次大戦の成果」と主張しており、今回の演習は日本を強く意識したものであることを示唆した。」 
 
  先日、ロシアは30年という長期にわたる天然ガスの中国への輸出の契約を取り交わしたばかりと報じられている。米国のシェールガスが欧州に今後輸出される可能性があり、ウクライナ問題もあってウクライナや欧州への輸出が停滞すると見られている。ロシアはそれにかわる天然ガスの販売先を求めていた。 


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