2014年05月29日16時21分掲載  無料記事
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国際

新疆ウイグル、アルカイダ、中国と日本

  ハフィントンポストは中国西部の新疆ウイグルにイスラム原理主義のアルカイダ・グループとのつながりができつつあると記している。「ウイグル独立運動とアルカイダの連携を懸念 中国がパキスタンとの対テロ連携も」と見出しを付けられた記事である。記事にはこう書かれている。「実際、中国の新疆ウイグル自治区の反政府活動家がパキスタンやアフガニスタンで訓練を受けるというケースは増加している。」そこで中国は対テロのために、パキスタン政府と連携しているという。 
http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/04/china-terrorism-middle-east_n_4215853.html 
  日刊ゲンダイでも、新疆ウイグルとアルカイダの関連をほのめかす記事が書かれている。「当局はウイグル族が信仰するイスラム教を背景とした犯行とみている。「自爆テロ」「聖戦」「イスラム」で思い起こすのは国際テロ組織「アルカイダ」の影響だ。実は、ETIMは国連安保理に「アルカイダと連携している」と認定されている。アルカイダも長年、中国政府のウイグル弾圧を非難し、「報復」を宣言していた。」 
 
  新疆ウイグルとアルカイダの関係は本当なのだろうか。仮に真実であったとして、この中国国内の内紛に国際テロ組織が参画してくると国境なき、そして期限なき戦いに中国が巻き込まれていくことを示している。ソ連のことを思い返せば、ソ連は軍事介入したアフガニスタンで米国がテコ入れしたビン・ラディンらイスラム原理主義者による聖戦で疲弊し、ついに共産主義が崩壊するに至った。中国でもそのことが繰り返されるのだろうか。もしそうだとすれば中国の弱体化を狙う安倍政権にとってアルカイダは仮想的国のその敵ということになる。 
 
  さて、この安倍政権は集団的自衛権の区域に中東も含まれるとしている。このようなことは憲法9条ではありえないことである。それはともかく、中東問題に集団的自衛権を適用したら、米国と敵対しているアルカイダとの闘争に日本が巻き込まれていくことを意味する。と、同時にそのことは仮想敵の敵国は味方というわけで、中国軍との共闘につながる可能性がある。意外な光景だが自衛隊と中国軍が集団的自衛権のもとで中東でアルカイダ掃討作戦を行うというものだ。もしそうだとすると、ロシアとインドも乗ってくるだろう。だが、中東で中国軍を側面支援することは安倍政権の意図する光景なのだろうか。 


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