2014年10月07日00時03分掲載  無料記事
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コラム

選挙について 死に票をうまないために

  小選挙区制度になって以来、自民党や民主党以外の政党を支持する人々は自分の支持する政党に投票したくとも死に票になる恐れがあり、結局、政策に異論はあってもより近い政党に投票する、というケースが少なくありません。しかし、その場合でもいったいどの政党に入れればいいのか、候補が多数いるとそこでも結局票がわれる、ということがあり得ます。 
 
  そこで参考になるのがフランスの選挙です。大統領選でも地方選挙でも基本は二回投票制になっています。1回目で過半数の票を集めた立候補者がいなければ上位の二候補で決選投票を行うのです。そして、その決選投票までの間に、少数派の政党が誰を支持するかで政策の交渉などを行い、票を集約していく仕組みになっています。つまり、フランスは小選挙区制でありながら、できるだけ有権者の票が死に票にならないようにデザインされているのです。 
 
  日本にはこのような選挙制度はありません。しかし、有権者の側でインターネットを使って似たような動きをすることは可能でしょう。今日、野党を支持する有権者にとって野党の候補者が多数となった場合、票が割れ、結局死に票を生んでしまうことになることが意識されていると思います。そこで市民の側で選挙前にどの程度の票を各候補者が獲得できるか、有権者でインターネットで事前集計してその上で勝てる候補者に集約していくように投票の調整を行えばいいのです。今日テレビ局が投票日に投票所の入り口でアンケートを実施して、開票間もなく当選確実の報道が出たりしますが、インターネットによる事前の調査もうまくやれば信頼性を持った集計となる可能性はあります(未知数ではありますが) 
 
  これまでどの政党が候補者を擁立するかは政党の都合で決められ、(野党であっても)有権者の切実な思いよりも党利党略が優先されていました。しかし、この方式は政党がどんな狙いで候補者を立てようと、市民の側のイニシアティブで勝てる候補者に一本化を図って行く狙いがあります。政党間の調整ができなくても、有権者の間で調整を自発的に行うと言うものです。これはまったくの思いつきにすぎませんが、フランスの制度には民意を無駄にしてはならない、という思想があると思えるのです。 
 
 
■選挙の問題点 〜民意をもっと反映する選挙制度へ〜小選挙区制の見直し、会期末に全法案に対する国民投票(チェック制度)、若者の政治参加 
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