2015年05月28日14時01分掲載  無料記事
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国際

アイルランド:同性婚に歴史的“YES” 国民投票で初

 アイルランドは5月23日、性的指向に関わりなく、すべての市民が同じように結婚できる権利を国民投票で認めた世界で最初の国となった。同国の有権者の票は、賛成62.1%、反対37.9%となり、「婚姻は法に基づき、性別に関係なく、2人によって成立する」と憲法を改正することになった。(アムネスティ国際ニュース) 
 
 同国は、これで同性の結婚の自由を認めた19番目の国となった。国民投票でその権利を承認したのは、世界初である。 
 
アムネスティ・インターナショナルは、賛成への投票を呼びかける活動を行ってきた。世界で活動する組織として2007年以来、性的指向や性自認に基づく婚姻法上の差別を撤廃するよう各国に求めてきた。 
 
 今回の決定はきわめて重要だと言える。同国の市民に大きな意義があることは言うまでもないが、世界に与える影響も少なくないだろう。世界中のLGBTI(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の人びとに対し、自分もその恋愛も家族も大切なものであり、自分たちの兄弟や姉妹とまったく同じ人権を、同じ法律の保護のもとで享受できる権利があるのだと、伝えているのだ。 
 
 今回のアイルランドの人びとの声は、プーチン大統領のロシア、ムセベニ大統領のウガンダなどのような、LGBTIの人びとを差別し彼らの人権を侵害している国への、強烈なメッセージだ。また、正義・自由・人権のために闘っている世界中の人びとへの希望のメッセージとなる。 
 
 2年前、政府が設置した市民の集まりである憲法制定会議が、同性婚を認める憲法改正を勧告した。そして今回の国民投票に至った。この勝利は、「婚姻の平等」「アイルランド自由人権協会」「GLEN(ゲイ・レズビアン平等ネットワーク)」など市民団体の長年にわたる運動の成果である。 
 
 アムネスティにとってこの運動に携わってきたことは誇りであり、同性婚の勝利は、大きな喜びである。とりわけ、運動のトーンと揺るぎなさには勇気づけられた。参加者は、いつも前向きで、肯定的で、明るかった。「平等な婚姻にYESを!」というスローガンのもとに集まった数千の人びとはエネルギッシュに動き、各地の都市、町、村を戸別訪問していた。こうした人びとが憲法改正を可能にし、勝利をもたらしたと言える。 


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