2015年06月03日11時45分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】沖縄・ラストコロニー・ワシントン 平田伊都子

 2012年6月1日、アメリカ下院が<アメリカ超党派議員友好連盟>を再承認しました。 
 西サハラ難民政府ワシントン代表ベイサットが昨年11月から奔走していた、懸案事項が実りました。 ベイサットは2011年5月に来日し、被災地石巻の避難民の方々と連帯の絆を結びました。 そして今、西サハラに連帯の手を差し伸べる<沖縄連帯の集い>に対して、メッセージを送ってきました。 以下、そのメッセージを西サハラ最新情報と共に紹介します。 
 
(1)2月10日の記事と痛々しい写真: 
 2015年2月8日のSPS(サハラ・プレス・サービス)が、「2月4日、若い西サハラ人モハメド・ラミン・ハイダラが、モロッコ南部のアガデール港でモロッコ人暴徒に襲われ、運ばれた病院で死亡した。モロッコ占領地・西サハラに住む家族が、モロッコ占領当局に暴行殺人事件の調査と報告を求めた。そして、殺人犯を裁判所で裁くことを要求したが、モロッコ当局は一人も逮捕せず事件を無視した。モロッコ人暴漢やモロッコ人入植者が西サハラ人を襲撃することを、モロッコ占領当局はこれまでも度々黙認している」と、伝えた。 
 
(2)息子の弔いハンスト: 
 2月4日にモロッコ人暴徒に虐殺されたモハメドの母タクバルは、モハメド虐殺事件の真相解明と犯人追及を求めて、5月の初め、ヨーロッパに渡った。彼女は様々な市民会合でモロッコ占領当局の残虐性を証言し、EU議会でも息子の虐殺訴追を訴えた。その後、カナリア諸島で、公開ハンガーストライキに突入している。ハンストは既に2週間を経過している。モロッコ占領地・西サハラの平和活動家たちや西サハラ難民政府は、彼女のハンガーストライキにたいして連帯声明を出した。ハンストの連帯って、断食をするんだろうか? 無理をしなくても、6月17日から一か月の断食月に入るんだけど、、 
 
(3)サウジのラマダンナッツ援助は義理チョコ、西サハラ難民キャンプは食糧難: 
 2015年5月26日、WFP(世界食糧計画)が毎年恒例になっているサウジ・ラマダンナッツを世界の難民に贈ると、発表した。今年のラマダン・断食月は6月17日から6月17日と予定されている。ただし、お月さまの御気分次第なので、若干の変更あり、、西サハラ難民キャンプには252トンのナツメッグがアルジェリアのオラン港から運び込まれる。石油王国サウジアラビアの見栄っ張りなパフォーマンスで、ラマダンナッツは義理チョコだ。 
 一方、西サハラ難民キャンプでは西サハラ赤新月社総裁ヤヒヤが、「スペインの食糧援助は53%以上に減り、その他の国からの新しい援助もない。食料備蓄は7月まで持たない!」と、5月31日に食糧SOSを発した。 
 
(4)沖縄と西サハラ: 
 5月29日、<沖縄連帯の集い>から10冊の<ラストコロニー>注文に添えて、「いつも連帯の集いへのご協力ありがとうとざいます。沖縄では、日米両政府による辺野古への新基地建設をなんとしても阻止するために、全力で頑張っています。抑圧されている民衆の立場から、アフリカの植民地の問題に懸命に取り組んでおられる平田さんに、心より敬意を表します。ともに連帯して頑張りましょう!」という熱いメッセージを頂いた。 
それに対して6月1日、西サハラ難民政府ワシントン代表ベイサットから沖縄の人々に宛てた、連帯の返信が送られてきた。下に貼り付ける。 
「Okinawa people:  Thank you so much, you have our solidarity and respect to you all, and we wish you all the best. Hirata is the bridge of friendship between us. 
Mohamed Beissat」 
 
(5)アメリカ西サハラ友好議員連盟: 
 2015年6月1日、ワシントンで、「西サハラ・アメリカ超党派議員連盟が下院で承認された。議連会長には、民主党下院議員ジョン・コニヤと共和党下院議員ジョセフ・ピッツが就任した。超党派議連ができたことで、オバマ政権が脱植民地という歴史的軌跡を残すことが可能になった。西サハラ住民投票の早期施行をアメリカ政府に要請する」と、記者会見発表がなされた。中断していた議連再開に奔走した、ベイサットの努力が実ったのだ。 
 よかったね!ベイサット!! 
 
 <連帯>とか<民主主義>とか、、殆ど死語になっていると思ってました。 でも、沖縄の人々と西サハラ難民との連帯交換を体験して、考えを変えました。 学びました。 
 放射能に汚染されて、地震で毎日揺さぶられ、いつ富士山が噴火するかもしれない不安な日本ですが、死ぬまで、殺されるまで、すねずに<連帯の精神>で笑って過ごしましょう! 
 
 
文:平田伊都子 ジャーナリスト、写真構成:川名生十 カメラマン 写真提供;SPS 


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