2015年06月17日18時40分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201506171840053

アフリカ

【西サハラ最新情報】断食ママ、一か月を越えた! 平田伊都子

 2015年6月15日、息子の遺体奪還と息子殺害者の逮捕を訴えてハンガーストライキを続けている<断食ママ>タクバルの断食は、終に一か月を切りました! 甘い水を摂るだけで、息子の無念を晴らすため一か月にわたって断食をしているのです。 息子のモハメド・ラミン・ハイダラはモロッコ南部のアガデール港でモロッコ人暴徒に襲われ、運ばれた病院で2月に死亡しました。 モロッコ占領地・西サハラに住むママは、事件をもみ消し遺体を勝手に埋めたモロッコ占領当局に訴えましたが、全く取り合ってもらえず、EU議会に直談判に出かけた帰り道、スペインのカナリア諸島でハンガーストライキに突入しました。 
 
(1)<断食ママ>タクバル:(SPSサハラ・プレス・サービス) 
 2015年6月9日、西サハラ難民政府大統領アブデル・アジズが国連事務総長に、「息子殺害事件の真相追及をモロッコ占領当局に求めてハンガーストライキを続けている<断食ママ>タクバルの訴えに耳をかせ」と、緊急書簡を送った。<断食ママ>の体は加速度的に弱ってきた。2009年11月に、<サハラの女ガンジー>と称されるアミナト・ハイダルが同じカナリア諸島で20日間のハンガーストライキを敢行し、モロッコとスペインを屈服させた。カナリア諸島はモロッコ占領地・西サハラとヨーロッパの中継点だ。アミナトは著名な平和活動家だが、タクバルは無名のママだ。 自由と独立を目指す西サハラ人には、著名も無名も関係ない。 
 
(2)国連事務総長室ご一行の西サハラ難民キャンプ訪問:(SPS) 
 2015年6月13日、UN事務総長室長スザンナ・マルコッラ一行がアルジェリアにある西サハラ難民キャンプを視察した。スザンナは西サハラ難民政府大統領との会談で、「パン・ギムーン国連事務総長は紛争両当事国、ポリサリオ西サハラ代表とモロッコ両者が交渉を再開させることを強く望んでいる。私は、事務総長の強い意向を伝え、その意向をしたためた書簡を携えてきた」と、表明した。 
 
(3)第25回AUアフリカ連合首脳会議でアルジェリアが国連支持表明: 
 2015年6月14日、15日と南アフリカのヨハネスブルグで第25回AUアフリカ連合が開かれた。開会式でアルジェリア首相アブデルマリク・セラルが、「私は、アフリカ最後の脱植民地化として西サハラが現存する事、を今一度、強調しておきたい。西サハラは前世紀から、植民地主義という妖怪の犠牲になってきた。国連や国際社会の努力にもかかわらず、西サハラ脱植民地化は進展していない。 国連事務総長個人特使クリストファー・ロスやAUアフリカ連合西サハラ委員長ジャキム・チサノと共に、我々も問題解決に向けて努力を続けたい」と、AUアフリカ連合参加諸国を鼓舞した。 
 
(4)モロッコがすぐに反論、但しMAPへの寄稿文転用;(CORCAS王室サハラ問題諮問評議会) 
 2015年6月14日、アルジェリア首相によるAUアフリカ連合首脳会議での声明に、モロッコは、すぐに反論した。ただし、モロッコ政府直接ではなく、MAPモロッコ国営通信に寄稿させた記事を転用したものだ。アメリカの専門家と称するファム氏は、「アルジェリアは、サハラ問題が前世期に解決済みの植民地主義だと言うことを、正しく認識してこなかった。歴史的にモロッコ・スルタンの領有下にあった、つまり王国の一部であったこのサハラをスペインが分捕ったことから反スペイン抵抗運動が蜂起した。反スペイン反乱軍の頭領マー・アイナイン族長はモハンマド裟す餡κ轍爾料樵十派礇爛薀ぁΕ▲屮妊襯▲献此スルタンに忠誠を誓った」と、歴史物語を紐解いて見せた。 
 
(5)パレスチナ囚人のハンスト:(HAARETZ) 
 2015年6月10日のイスラエル紙ハーレツが、「パレスチナ囚人カデル・アドナンのハンガーストライキが41日目に入った。イスラエル刑務所の虐待に反対するカデルに連帯して、他の囚人もハンガーストライキに突入。6月7日、イスラエル内閣は、<ハンガーストライカーどもに強制的に食わせる閣議決議>を急造した」と発表した。逆算するとアドナンは5月1日頃からハンガーストライキに入ったことのなり、5月15日にハンガーストライキに入った<断食ママ>より半月長い。 
 
 2015年のラマダン断食月は6月18日から7月16日までの予定です。 
世界中のイスラム教徒が一斉に断食します。 但し、ハンガーストライキではないので、お日様が出ている間だけ、飲食やタバコやセックスを絶ちます。 だから、陽が沈んで夜が明けるまで、思いっきり飲み食いします。 断食の大義名分は貧しい人の空腹に心を寄せ、同じイスラム教徒としての連帯意識を共有するためだそうです。 
どうか世界のイスラム教徒の方々、武器も力もなくハンガーストライキに訴えるしかない西サハラ被占領民やパレスチナの政治囚に、思いを馳せてください。 イスラム教徒でない方々も、断食という決死的手段で自らの権利を世に問う、腹を空かせた西サハラ難民の主張に耳を傾けてください。 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2015年6月18日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。