2015年07月01日23時31分掲載  無料記事
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反戦・平和

日本消費者連盟等、消費者・生活者の立場から安保法制反対の声明

 国会で審議中の安保法制に反対する声明、決議がさまざまの団体から相次いで出されている。日本消費者連盟は「消費者・生活者9条の会」と連名で、くらしの場から安保法制の廃案を求める声明を発表した。同声明は「戦争を前提とする国家になるということは、憲法が定める基本的人権、幸福追求権や健康で文化的な生活をする権利を大きく制限することにつながります」として、消費者・生活者の日々のくらしが危うくなることを警告している。(大野和興) 
 
≪決議≫ 
私たちは安全保障法制等の法案に反対し、平和に安心して生きる権利を守りぬきます 
 
 敗戦から70年が経ちました。平和に安心して生きていける社会をめざして、私たち消費者・生活者はこの70年、世代をつなぎ、生きてきました。このささやかな願いが今、根底から崩されようとしています。 
 
安倍内閣は2015年5月14日、一連の安全保障法案を今国会に提出しました。集団的自衛権の行使を前提に、自衛隊を世界のあらゆる地域に派兵し、他国軍隊と一体になって戦争に参加することを可能にする法案です。文字通り“戦争法案”であるこの一連の法案は、明らかに憲法9条に違反しています。 
 
 政府は、この法案に基づく武力行使は「限定的なもの」と国会で述べていますが、一度武力行使に踏み切れば、日本は戦争当事国となり、際限のない戦争行為に突入することになります。 
 戦争をする国になるということは、軍事機密を含む国家機密を保有することでもあります。国家機密を守るために、国民の知る権利を大きく制約する秘密保護法が制定され、盗聴法を拡大する刑事訴訟法一部改正案が国会に提出されています。国民の知る権利が国家によって侵される事態が、すでに進行しているのです。 
 
 そればかりではありません。 
 
 戦争を前提とする国家になるということは、憲法が定める基本的人権、幸福追求権や健康で文化的な生活をする権利を大きく制限することにつながります。私たち日本消費者連盟が一貫して主張してきた「消費者の権利」も危うくなります。「消費者の権利」の内実は、憲法によって形作られ、支えられているからです。人びとの 
平和に生きる権利を軸に、幸福追求権、基本的人権、生存権、働くものの権利、教育を受ける権利など憲法にはすべてがあります。 
平和的生存権と呼ばれるものです。権力者の権力を縛る立憲主義も、憲法の重要な柱です。 
 
 戦争をする側から見れば、これら「平和的生存権」や立憲主義 
を主張することは、「国益」に反する行為ということになります 
。安全保障法案を許すことは9条だけでなく、憲法が定めている基本的人権・生存権を制約し、消費者・生活者の権利を侵すことにつながるのです。 
 
 私たち日本消費者連盟と消費者・生活者9条の会は、いま国会に出されている一連の安全保障法案を直ちに撤回し、廃案とすることを政府・与党に要求します。同時に、消費者・生活者の権利を掲げて、安全保障法案に反対する運動の一翼につながる意志を有するこ 
とを、ここに表明します 
 
2015年6月20日 
日本消費者連盟 
消費者・生活者9条の会 


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