2015年08月03日14時29分掲載  無料記事
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環境

東海道新幹線で火災発生! ・・・リニアなら「安全」なの?

 「リニアも東海道新幹線も火災はまずあり得ません」とJR東海はリニア事業説明会で繰り返し言い切っていました。しかし6月30日、新横浜・小田原間を走行中の東海道新幹線で男性が焼身自殺をし、火災が起きました。火は運転士が消し止めましたが車内は1、2号車が黒炎で充満し、新幹線事故としては過去最悪の28人の死傷者が出ました。(『ストップリニアニュース』から) 
 
4月3日の青函トンネル内の発煙事故では、124人の乗客が特急列車から降り2.4キロ歩きました。そこから20人定員のケーブルカーで地上に出るのに9往復。脱出完了まで5時間半余りも掛かりました。 
 
 リニアで火災が起これば、事態はもっと深刻です。第1に9割がトンネルで地上部分はわずかです。第2に運転士はいません。全て遠隔操作で走ります。従って、リニア乗客最大1000人に対し、とっさの対応が何名かの乗員に求められます。 
 今回の東海道新幹線火災のように停電となり、空調・排気設備も不能となれば、長大なトンネルではどのような危険が迫るのでしょうか? 
 
 JR東海がリニア事業説明会で言うように、仮に止まった所から車外に避難誘導され避難路を歩くことになっても、非常口までの距離は風向きによっては3〜4キロ(あるいはそれ以上)になります。「お客様の力も借りながら避難して頂く」とJR東海は言っていますが、子ども、高齢者、妊婦、身体の弱い人たちがいるかもしれないし、何より、トンネル内の不安や恐怖による混乱はどれほどのものでしょうか? 更に死傷者が出た場合、救助隊はどうやって駆けつけるのでしょう? 
 
 こうした様々な不安に、JR東海はきちんと説明せぬまま工事を進めようとしています。果たして許されるものでしょうか? 
 
(発行:リニア新幹線を考える相模原連絡会) 


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